HbA1cとは?基準値・糖尿病の目標値と検査でわかること

熊本宣言

糖尿病の診療や健康管理で頻繁に登場する検査項目がHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)です。HbA1cとは、過去1〜2か月の平均血糖値の状態を反映する指標で、糖尿病の診断や治療効果の確認に欠かせません。

検査値と治療目標は別のものです。

HbA1cの目標は全員同じではありません。年齢や治療内容、低血糖の起こりやすさなどを踏まえて、主治医と相談して決めます。

目次

HbA1cとは?

HbA1cは、赤血球内のヘモグロビンが血中のブドウ糖と結合した割合を示す数値です。通常の血糖値は食事や運動の影響を受けやすく一時的に変動しますが、HbA1cは過去1〜2か月の血糖状態を平均的に示します。そのため、日々の血糖測定とは異なり、長期的な血糖コントロールの状態を評価できます。

日本糖尿病学会によると、HbA1cが6.5%以上の場合は糖尿病が強く疑われます。診断時には空腹時血糖や随時血糖など他の検査とあわせて判定されます。

HbA1cの目標値 ~熊本宣言2013より~

治療中の糖尿病患者さんにとって、HbA1cの目標値はとても重要です。日本糖尿病学会が2013年5月16日に発表した「熊本宣言2013」では、合併症予防のための目標が定められています。

日本糖尿病学会の「糖尿病診療ガイドライン2024」では、血糖コントロールの目標を次のように示しています。

糖尿病治療におけるHbA1cの目標
治療で目指すことHbA1cの目標
血糖を正常に近づける場合6.0%未満
低血糖などの副作用なく達成できる場合に検討
合併症の予防を目指す場合7.0%未満
低血糖などの理由で治療を強めることが難しい場合8.0%未満

この表は、妊娠中を除く成人を対象とした目安です。高齢の方は認知機能や日常生活の自立度、使用している薬なども考慮します。「高齢だから一律に8.0%未満」と決めるものではありません。

ただし、目標値は一律ではなく、年齢・合併症の有無・認知機能・低血糖リスクを考慮し、個別に設定することが大切です。特に高齢の方では、過度な厳格管理がかえって低血糖リスクを高める場合があります。医師とよく相談しながら、安全で現実的な目標を決めましょう。

定期的なHbA1c測定が重要

HbA1cを測定する間隔は、治療内容や血糖の状態に合わせて医師が判断します。継続して確認することで、治療や生活習慣の変化を評価します。糖尿病予備軍(境界型糖尿病)の方にとっても、生活習慣の改善が反映されるか確認するために役立ちます。

糖尿病は「静かなる病気」とも呼ばれ、自覚症状が出にくく、知らないうちに進行することがあります。そのため、定期的なHbA1c検査で客観的に血糖状態を把握し、医師とともに早めの対策を取ることが大切です。

まとめ:HbA1cは健康管理のバロメーター

HbA1cは糖尿病の診断・治療だけでなく、健康全体を管理する重要な指標です。ご自身のHbA1cを定期的に確認し、無理のない目標設定と生活改善を心がけましょう。医師のサポートを受けながら継続することで、将来の合併症予防にもつながります。

HbA1cを下げたい方へ:生活でできること

HbA1cは1〜2か月の積み重ねで変わる数値です。食事の量とバランスを整える、食後に体を動かす、適正体重を目指すといった取り組みが、数か月後のHbA1cに表れてきます。具体的な方法は糖尿病の食事療法の基本、糖尿病の運動療法、血糖値スパイクの記事もご覧ください。

八王子市でHbA1cや血糖値のご相談先をお探しの方へ

八王子市でHbA1cや血糖値のご相談先をお探しの方は、はごろも内科小児科にご相談ください。日本糖尿病学会 糖尿病専門医の院長が、検査から治療、日々の生活のご相談まで対応します。
※2026年9月現在は立川市羽衣町で診療しています。八王子市での診療開始日・所在地は、当院の最新案内をご確認ください。


監修者プロフィール

院長 田丸新一 (Shinichi Tamaru)
医学博士(東京医科大学)

田丸院長は、糖尿病・甲状腺・内分泌内科の専門医です。東京大学附属病院 糖尿病・代謝内科での研究経験や、高知県での地域医療経験も豊富に持ち、八王子市で糖尿病・内分泌疾患の診療にあたります(2026年9月現在は立川市羽衣町で診療)。

資格・専門性

  • 日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
  • 日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医
  • 日本内科学会 総合内科専門医

気になる症状を、専門医にご相談ください

立川市・国立市・八王子市など周辺地域の皆さまへ。糖尿病・甲状腺・生活習慣病など、一人ひとりの状態に応じて診療します。

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この記事を書いた人

はごろも内科小児科【糖尿病 高血圧 内分泌 甲状腺 在宅医療】 
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

立川市、国立市を中心とした地域医療を展開する、はごろも内科小児科院長。
2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。


日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

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