甲状腺とはどんな臓器?その役割と位置をわかりやすく解説

私たちの体には、「甲状腺(こうじょうせん)」という名前の臓器があります。あまり意識されることは少ないかもしれませんが、全身の代謝を調整する非常に重要な働きを担っています。
今回は、甲状腺の基本的な役割や体のどこにあるのか、また関係する病気について解説します。
甲状腺の位置と特徴
甲状腺は、首の前側、のどぼとけ(喉仏)のすぐ下にあります。ちょうど蝶(ちょう)のような形をしていて、左右の「葉(よう)」が気管を挟むように存在します。
- 大人の甲状腺は、重さが約15~20gととても小さな臓器
- 通常は外から触れたり、見えたりしません
しかし、腫れたり炎症を起こしたりすると、首の腫れや違和感を感じることがあります。
甲状腺ホルモンのはたらき
甲状腺の最大の役割は、「甲状腺ホルモン」を作って全身に届けることです。
このホルモンは、私たちの体の中で以下のような働きをしています。
● 甲状腺と代謝:エネルギーの使い方をコントロール
→ 食べ物をエネルギーに変えたり、体温を保ったりする役割を担います。
● 甲状腺が影響する臓器と症状
→ 甲状腺ホルモンが不足すると、だるさ・冷え・便秘・気分の落ち込みなどが起こりやすくなります。
● 小児期の成長と甲状腺ホルモン
→ 特に小児期には、骨や脳の発達に欠かせないホルモンです。
糖尿病と甲状腺疾患の関連性
実は、糖尿病の方は甲状腺の異常を併発しやすいことがわかっています。そのため、糖尿病治療とあわせて甲状腺の検査を行うことが重要です。
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代表的な甲状腺の病気
● バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
→ 甲状腺ホルモンが過剰になり、動悸、汗かき、体重減少などが見られます。
● 橋本病(甲状腺機能低下症)
→ ホルモンの分泌が不足し、疲れやすさ、寒がり、むくみ、便秘などが起こります。
● 甲状腺腫瘍や結節
→ 良性・悪性(がん)の可能性があり、しこりや違和感を感じたら早めの受診が大切です。
甲状腺の検査方法
甲状腺の病気は、血液検査と超音波検査(エコー)で診断します。
主な検査内容:
- 甲状腺ホルモン(FT3、FT4、TSH)の血液検査
- 甲状腺自己抗体(TRAb、TPOAbなど)の検査
- 甲状腺の超音波(エコー)検査で形の異常やしこりを確認
甲状腺の症状チェック
以下のような症状が続く場合は、甲状腺の病気が隠れている可能性があります。
- 最近太りやすくなった/やせてきた
- 疲れやすい・だるい
- 首の前側が腫れている・違和感がある
- 動悸や息切れがする
- 肌が乾燥する・便秘気味
- 気分が落ち込みやすい
年齢や性別に関係なく起こるため、「年のせいかな?」と思わず一度検査してみることをおすすめします。
まとめ:甲状腺の健康チェックは早めに
甲状腺は、小さくても体のバランスを保つ重要な臓器です。病気に気づかないまま生活を続けていると、日常生活に大きな影響が出ることもあります。
はごろも内科小児科では、甲状腺の検査・診断・治療にも対応しております。糖尿病などの生活習慣病とあわせた総合的な診療も可能です。
気になる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
よくある質問(Q&A)
Q. 甲状腺の病気は一生治らないのでしょうか?
A. 病気の種類によりますが、薬で安定するケースが多くあります。長期的なフォローが必要な場合も、かかりつけの内科で継続管理できます。
Q. 首が少し腫れている気がします。すぐ病院に行った方がいいですか?
A. 痛みがなくても、しこりや腫れを感じた場合は早めにご相談ください。甲状腺の腫れは自己判断が難しいため、エコー検査などが有効です。
ご相談は『はごろも内科小児科』へ
当院では、糖尿病・高血圧などの生活習慣病だけでなく、甲状腺疾患の診療にも対応しています。地域の皆さまの健康管理を支えるクリニックとして、丁寧な診療を心がけています。
甲状腺に関するご不安があれば、いつでもご相談ください。