脂肪肝と肥満・糖尿病の関係|MASLDの検査と生活改善

健康診断で「脂肪肝がありますね」と言われたことはありませんか?

脂肪肝は自覚症状がほとんどないため、「お酒をあまり飲まないから大丈夫」「症状がないから問題ない」と考えてしまう方も少なくありません。

しかし、脂肪肝は単なる肝臓の異常ではなく、肥満症や糖尿病と深く関係していることがわかっています。

特に肥満症を伴う脂肪肝は、将来的に肝硬変や肝がん、心筋梗塞などのリスクを高める可能性があります。

この記事では、「脂肪肝と肥満症」の関係について、わかりやすく解説します。

目次

脂肪肝とは?MASLD・MASHという名称について

脂肪肝は肝臓に脂肪が過剰にたまった状態です。肥満や血糖・脂質の異常、飲酒、薬など複数の原因が関係します。お酒を飲まない方や、肥満のない方にも起こります。

現在は脂肪性肝疾患を背景に応じて分類し、脂肪肝と心代謝系の危険因子を伴うものをMASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)、そのうち肝炎を伴う病態をMASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)と呼びます。従来のNAFLD・NASHから名称と分類が見直されており、飲酒量なども含めて診断します。

肥満症とは?

肥満症とは、単に体重が多い状態ではありません。

肥満によって健康障害が起こっている、または起こる可能性が高く、医学的な治療が必要な状態を指します。

日本ではBMI25以上の肥満に、関連する健康障害または健康障害を起こしやすい内臓脂肪蓄積を伴い、医学的に減量が必要な場合に肥満症と診断します。

代表的な合併症には、

  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 脂質異常症
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 脂肪肝

などがあります。

つまり、脂肪肝は肥満症の重要な合併症の一つなのです。

脂肪肝と肥満症はなぜ関係しているの?

内臓脂肪が増えるから

肥満症では、お腹周りに内臓脂肪が蓄積しやすくなります。

内臓脂肪が増えると脂肪酸が血液中に放出され、肝臓へ運ばれます。

その結果、肝臓に脂肪がたまり、脂肪肝が進行します。

インスリン抵抗性が起こるから

肥満症では「インスリン抵抗性」が起こりやすくなります。

インスリンは血糖値を下げるホルモンですが、肥満によってその働きが弱くなります。

すると、

  • 血糖値の上昇
  • 糖尿病の発症
  • 肝臓への脂肪蓄積

が進みやすくなります。

このため、脂肪肝と糖尿病はしばしば同時に見つかります。

脂肪肝を放置するとどうなる?

脂肪肝は初期にはほとんど症状がありません。

しかし放置すると病気が進行することがあります。

肝炎

肝臓に炎症が起こる状態です。

近年ではMASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)という病態が注目されています。

肝硬変

炎症が長期間続くと肝臓が硬くなり、肝機能が低下します。

肝がん

肝硬変まで進行すると肝がんのリスクが高まります。

心筋梗塞・脳梗塞

脂肪肝のある方は動脈硬化が進みやすく、心血管疾患のリスクも上昇します。

脂肪肝と糖尿病の深い関係

脂肪肝のある方は、糖尿病を発症しやすいことが知られています。

また、糖尿病があると脂肪肝も悪化しやすくなります。

つまり、

脂肪肝 → 糖尿病

糖尿病 → 脂肪肝悪化

という悪循環が起こるのです。

健康診断で

  • HbA1cが高い
  • 血糖値が高い
  • 肝機能異常を指摘された

という方は注意が必要です。

脂肪肝と肥満症を改善するには?

体重を減らす

肥満を伴う脂肪肝では、適切な減量が治療の柱です。

減量目標は肝臓の状態、体格、筋肉量に応じて医師と決めます。低体重の方や高齢の方に一律の減量は勧めません。

食事を見直す

以下を意識しましょう。

  • 甘い飲み物を控える
  • 間食を減らす
  • 野菜を増やす
  • 夜遅い食事を避ける

運動を続ける

ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は、内臓脂肪の減少に効果的です。

体力と持病に合わせて継続しましょう。運動の種類と量は医師に相談できます。

定期的な検査を受ける

脂肪肝は症状だけでは進行度がわかりません。

血液検査や腹部超音波検査などによる定期的な評価が重要です。

健康診断で脂肪肝を指摘されたら内科へ相談を

脂肪肝は放置してよい病気ではありません。

特に、

  • 肥満症がある
  • 糖尿病がある
  • 肝機能異常を指摘された
  • お腹周りが気になる

という方は早めの受診をおすすめします。

当院では脂肪肝や肥満症、糖尿病に対する検査・治療・生活習慣改善のサポートを行っています。

立川市・国立市・昭島市・日野市周辺で脂肪肝や肥満症について相談できる内科をお探しの方は、はごろも内科小児科へお気軽にご相談ください。

まとめ|脂肪肝と肥満症は密接に関係しています

脂肪肝と肥満症は、内臓脂肪やインスリン抵抗性を介して深く関係しています。

脂肪肝は自覚症状が少ない一方で、

  • 糖尿病
  • 肝硬変
  • 肝がん
  • 心筋梗塞

などのリスクにつながる可能性があります。

健康診断で脂肪肝を指摘された方は、早めに内科で相談し、生活習慣の見直しや適切な治療を始めることが大切です。

肝機能の数字だけで重症度は決まりません

AST・ALTなどの血液検査、血小板数、超音波検査、必要に応じた肝臓の硬さの検査などを組み合わせ、線維化のリスクを調べます。自覚症状や肝酵素の値だけで進行を否定できません。糖尿病がある方は、血糖と肝臓の両方を継続して評価します。

甘い飲み物や食べ過ぎに加え、飲酒量も確認します。肝障害がある場合の飲酒は主治医と相談してください。サプリメントだけで治そうとせず、使用中の製品も診察時に伝えましょう。

よくある質問

脂肪肝があると必ず肝硬変になりますか?

すべての方が進行するわけではありません。炎症・線維化の程度や糖尿病などの合併症を確認し、必要な検査間隔と治療を決めます。

立川市で脂肪肝や血糖について相談したい方へ

はごろも内科小児科では、糖尿病や生活習慣病についてご相談いただけます。受診時は健診結果とお薬手帳、体重や食事の記録があればお持ちください。検査・治療は症状や持病に応じて検討します。

糖尿病の診療案内 / HbA1cの検査と目標値 / 診療時間・アクセス

参考情報

本記事は一般的な医療情報です。診断や治療方針は、診察と検査結果に基づき個別に判断します。

気になる症状を、専門医にご相談ください

立川市・国立市・八王子市など周辺地域の皆さまへ。糖尿病・甲状腺・生活習慣病など、一人ひとりの状態に応じて診療します。

WEB予約は24時間受付。電話受付は診療時間内です。

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この記事を書いた人

クリニック内科・糖尿病内科【糖尿病 高血圧 内分泌 甲状腺】 
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

クリニック内科・糖尿病内科院長。
2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。


日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

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