糖尿病専門医が考える肥満症治療|減量目標と薬の選び方

「体重を減らしたいけれど、何から始めればいいかわからない」
「何度もダイエットに失敗してしまう」
「糖尿病や健康診断の数値が気になっている」

このようなお悩みをお持ちの方は少なくありません。

肥満症は単に「太っている状態」ではなく、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を引き起こす病気です。

今回は、糖尿病専門医が考える肥満症治療について、健康を守るために大切なポイントをわかりやすく解説します。

目次

糖尿病専門医が考える肥満症治療とは?

肥満症治療の目的は、単に体重を減らして見た目を変えることではありません。

最も大切なのは、

  • 糖尿病の予防・改善
  • 高血圧の改善
  • 脂質異常症の改善
  • 脂肪肝の改善
  • 睡眠時無呼吸症候群の改善
  • 心筋梗塞や脳卒中の予防

など、健康寿命を延ばすことです。

「何kg痩せるか」よりも、「健康になること」が治療の目標です。

肥満症は意志の弱さではありません

「自分の努力が足りないから太った」と考えてしまう方もいます。

しかし、肥満症は、

  • 遺伝的要因
  • 加齢
  • ホルモンの影響
  • 食習慣
  • 運動不足
  • 睡眠不足
  • ストレス

など、さまざまな要因が重なって起こる病気です。

そのため、無理な食事制限だけで解決できるものではありません。

医学的なサポートを受けながら、継続できる方法を見つけることが大切です。

減量目標は合併症と体格に合わせて決める

一般的な肥満症では、3~6か月で現体重の3%以上の減量が一つの目安です。80kgなら2.4kg、70kgなら2.1kgに当たります。高度肥満症や合併症の状態によっては、より大きな減量を検討します。

全員が同じ目標を目指すわけではありません。高齢の方、低体重の方、筋肉量が少ない方では、栄養状態と筋力の維持を優先します。体重だけでなく、HbA1c・血圧・脂質、生活のしやすさも一緒に評価しましょう。

食事療法は「我慢」ではなく「続けること」が大切

糖尿病専門医として大切にしているのは、「無理なく続けられること」です。

極端な糖質制限や短期間のダイエットではなく、

  • 野菜を増やす
  • よく噛んで食べる
  • 甘い飲み物を控える
  • 食べ過ぎを防ぐ

といった小さな習慣の積み重ねが、長期的な成功につながります。

コンビニや外食が多い方でも、工夫次第で健康的な食生活は可能です。

運動は激しいものでなくても大丈夫

「運動しなければ」と考えると、続かなくなることがあります。

おすすめは、

  • ウォーキング
  • 軽い筋力トレーニング
  • ストレッチ
  • 階段を使う

など、日常生活に取り入れやすい運動です。

無理なく継続することが、体重管理や糖尿病予防につながります。

肥満症の薬と糖尿病の薬は適応を分けて考える

食事療法・運動療法などで十分な効果が得られない場合、適応条件を満たせば肥満症治療薬を検討します。ウゴービやゼップバウンドには、BMI・合併症に加え、保険診療での医師・施設や治療経過の要件があります。

糖尿病を合併する場合は、血糖や心臓・腎臓の状態も考慮して糖尿病治療薬を選びます。SGLT2阻害薬は肥満症そのものの治療薬として承認された薬ではありません。体重への影響だけを理由に薬を選ぶことはできません。

治療には副作用や低血糖への対策も必要です。特定薬剤の処方可否は診察と現在の診療体制により判断します。重症度によっては専門施設での評価や、外科治療を含めた検討が必要になることもあります。

糖尿病専門医が考える肥満症治療|一人で頑張りすぎないことが大切

肥満症や糖尿病の治療は、短距離走ではなく長距離走です。

体重が増減することもあります。

大切なのは、

「完璧を目指すこと」ではなく、

「健康的な生活を続けること」

です。

一人で悩まず、医師と一緒に無理のない目標を立てながら取り組んでいきましょう。

よくある質問(FAQ)

肥満症はダイエットだけで改善しますか?

生活習慣の改善が基本ですが、必要に応じて薬物療法を併用する場合もあります。

肥満症は内科で相談できますか?

はい。内科では糖尿病や高血圧、脂質異常症なども含めて総合的に診療します。

何kg痩せれば健康になりますか?

減量が必要な方では、合併症と体格に合わせた目標を決めます。数値の改善には個人差があり、体重だけで健康状態は判断できません。

初診で確認すること・持参すると役立つもの

  • 健診結果、血糖値・HbA1c、血圧・脂質の経過
  • これまでの体重の増減と、続けられた・続けにくかった取り組み
  • お薬手帳、食事・飲酒・睡眠・仕事の状況
  • いびき、日中の眠気、関節痛など生活上の困りごと

肥満症は意志の強さだけで決まるものではありません。体重が戻った場合も責める必要はなく、生活環境や治療の負担を確認して計画を調整します。通院を続けながら、無理なく実行できる目標を一緒に考えましょう。

立川市で肥満症や糖尿病について相談したい方へ

はごろも内科小児科では、糖尿病や生活習慣病についてご相談いただけます。受診時は健診結果とお薬手帳、体重や食事の記録があればお持ちください。検査・治療は症状や持病に応じて検討します。

糖尿病の診療案内 / HbA1cの検査と目標値 / 診療時間・アクセス

参考情報

本記事は一般的な医療情報です。診断や治療方針は、診察と検査結果に基づき個別に判断します。

気になる症状を、専門医にご相談ください

立川市・国立市・八王子市など周辺地域の皆さまへ。糖尿病・甲状腺・生活習慣病など、一人ひとりの状態に応じて診療します。

WEB予約は24時間受付。電話受付は診療時間内です。

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この記事を書いた人

はごろも内科小児科【糖尿病 高血圧 内分泌 甲状腺 在宅医療】 
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

立川市、国立市を中心とした地域医療を展開する、はごろも内科小児科院長。
2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。


日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

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