健診でTSHが高いと言われたら?放っておいてはいけない“甲状腺”のサイン

「健診でTSHが高いと言われたけど、どうしたらいいの?」
そんな不安を抱えた方へ。この記事では、TSH(甲状腺刺激ホルモン)の意味や、高値の背景にある病気、放置するリスク、そして受診のタイミングについて、内分泌専門医がわかりやすく解説します。


目次

TSHとは?甲状腺の働きをチェックするホルモン

TSH(甲状腺刺激ホルモン)は、脳下垂体から分泌され、甲状腺に「ホルモンを出してください」と指令を出すホルモンです。

このTSHの値が高いということは、甲状腺ホルモン(FT3やFT4)が足りていないことを意味していることが多く、身体はなんとかホルモン量を増やそうとしている状態です。


健診でTSHが高いと言われる主な原因

TSHが高くなる主な原因は、「甲状腺機能低下症」です。特に以下のような病気が隠れている可能性があります。

  • 橋本病(慢性甲状腺炎)
     日本人女性に多い自己免疫疾患で、甲状腺の機能が徐々に落ちる病気です。
  • 一時的な甲状腺炎やウイルス感染後の変化
     一過性にTSHが高くなる場合もあります。
  • 薬剤性の甲状腺機能低下
     特定の薬(例:抗不整脈薬のアミオダロンなど)が影響することもあります。

TSHが高いと何が起きる?~放置のリスクとは~

甲状腺ホルモンが不足すると、以下のような不調が起きやすくなります。

  • 疲れやすい、だるい
  • 体重が増える
  • 便秘がちになる
  • 寒がりになる
  • むくみやすくなる
  • 抜け毛が増える
  • 月経異常

症状が軽くても、放置すると心疾患や高脂血症、さらにはうつ症状を引き起こすことがあります。


健診でTSHが高かった場合の次のステップ

  1. まずは専門の内科を受診しましょう。
     「健診でTSHが高いと言われたら?」と悩んだら、甲状腺の病気を専門とする医師に相談することが大切です。
  2. 追加検査が必要です。
     TSHだけでなく、FT3・FT4、抗甲状腺抗体(TPO抗体・Tg抗体)などを測ることで、甲状腺機能や原因を詳しく評価できます。
  3. 症状と合わせて総合的に判断します。
     TSHが軽度に高いだけで治療が不要なこともありますが、経過観察が必要な場合もあるため、放置は禁物です。

糖尿病との関係にも注意

実は、甲状腺機能低下症と糖尿病は深い関係があります。甲状腺ホルモンが不足すると、代謝が落ち、血糖コントロールが乱れやすくなることがあります。

糖尿病のある方は、甲状腺機能のチェックも定期的に受けることが推奨されています。


立川市周辺で甲状腺や糖尿病の相談なら|はごろも内科小児科へ

当院『はごろも内科小児科』では、甲状腺疾患や糖尿病、生活習慣病の診療を専門的に行っております。
立川市、小平市、東大和市周辺にお住まいの方で、「健診でTSHが高いと言われたら?」と不安を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。


よくある質問

Q. TSHが少し高いだけでも受診すべき?
→ はい。軽度でも、今後の変化を見ていくことが重要です。経過観察が必要なケースもあります。

Q. 症状がないけど、治療は必要?
→ 症状や検査値のバランスを見て医師が判断します。治療が必要ないこともありますが、自己判断は避けましょう。


まとめ

  • TSHが高いのは、甲状腺ホルモンが不足しているサイン
  • 放置すると全身の不調や糖尿病悪化につながる可能性あり
  • 立川市の『はごろも内科小児科』では、甲状腺・糖尿病に精通した医師が診療します
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この記事を書いた人

はごろも内科小児科
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。


日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

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