肥満で糖尿病になりやすい理由|内臓脂肪とインスリン抵抗性

肥満、とくに内臓脂肪の蓄積は、インスリンが効きにくくなることを通じて2型糖尿病のリスクを高めます。ただし、発症には体質やインスリンを分泌する力なども関係します。体型だけで糖尿病かどうかを判断することはできません。

「体重が増えてきたけれど、まだ病気ではないから大丈夫」と思っていませんか?

実は、肥満は見た目の問題だけではありません。特にお腹まわりに脂肪がたまる内臓脂肪型肥満は、糖尿病の発症リスクを高めることが知られています。

健康診断で血糖値やHbA1cの上昇を指摘された方の中には、肥満が原因となっているケースも少なくありません。

この記事では、「肥満が糖尿病を引き起こす理由」について、医学的な根拠をもとにわかりやすく解説します。

目次

肥満が糖尿病を引き起こす理由とは?

結論から言うと、肥満になると体内でインスリンが効きにくくなり、血糖値が下がりにくくなるためです。

インスリンとは、膵臓から分泌されるホルモンで、血液中のブドウ糖を細胞へ取り込み、血糖値を下げる働きがあります。

しかし肥満になると、このインスリンの働きが弱くなります。

この状態を「インスリン抵抗性」と呼びます。

インスリン抵抗性が進行すると血糖値が高い状態が続き、やがて糖尿病を発症する可能性が高くなります。

特に危険なのは「内臓脂肪型肥満」

肥満には大きく分けて2種類あります。

皮下脂肪型肥満

皮膚の下に脂肪が蓄積するタイプです。

内臓脂肪とは代謝への影響が異なりますが、皮下脂肪が多いから安全とは判断できません。

内臓脂肪型肥満

胃や腸の周囲に脂肪が蓄積するタイプです。

男性に多く見られ、お腹が前に突き出るような体型が特徴です。

実は、糖尿病との関係が深いのは内臓脂肪型肥満です。

内臓脂肪が増えると、さまざまな悪玉物質(炎症性サイトカイン)が分泌され、インスリンの働きを妨げることがわかっています。

その結果、血糖値が上がりやすくなります。

なぜ肥満だとインスリンが効かなくなるの?

脂肪細胞は単なる脂肪の貯蔵庫ではありません。

実際には多くのホルモンや生理活性物質を分泌しています。

肥満になると脂肪細胞が大きくなり、

  • TNF-α
  • IL-6
  • 遊離脂肪酸

などの物質が増加します。

これらがインスリンの働きを妨げることで、血糖値をコントロールしにくくなります。

膵臓は血糖値を下げようとしてさらに多くのインスリンを分泌しますが、長期間負担がかかることで機能が低下してしまいます。

インスリンの分泌で補いきれなくなると、血糖値が上昇して2型糖尿病を発症することがあります。肥満があるすべての方が発症するわけではありません。

日本人は肥満による糖尿病になりやすい?

実は日本人は欧米人に比べて、膵臓から分泌されるインスリンの量が少ない傾向があります。

そのため、

  • 軽度の肥満
  • BMIがそれほど高くない状態

であっても糖尿病を発症することがあります。

「そこまで太っていないから安心」とは言い切れません。

特に、

  • お腹周りが大きくなった
  • 健康診断で血糖値を指摘された
  • 家族に糖尿病の人がいる

という方は注意が必要です。

肥満による糖尿病のサイン

糖尿病の初期には自覚症状がほとんどありません。

しかし進行すると以下のような症状が現れることがあります。

のどがよく渇く

血糖値が高くなると尿の量が増え、水分不足になりやすくなります。

尿の回数が増える

特に夜間のトイレが増えた場合は注意が必要です。

疲れやすい

糖をうまくエネルギーとして利用できなくなるため、疲労感が出やすくなります。

体重が急に減る

糖尿病が進行すると筋肉や脂肪を分解してエネルギーを作るため、体重減少が起こることがあります。

肥満による糖尿病を予防するには?

食事を見直す

糖尿病予防の基本は適切な食事です。

  • 野菜を先に食べる
  • 甘い飲み物を控える
  • 夜遅い食事を避ける
  • 腹八分目を意識する

といった習慣が大切です。

適度な運動を続ける

ウォーキングや自転車などの有酸素運動は、インスリンの働きを改善します。

体力に応じて短い散歩から始め、少しずつ増やしましょう。持病や合併症がある方は、運動の内容を主治医に確認してください。

睡眠不足を改善する

睡眠不足は食欲を増加させ、肥満や糖尿病のリスクを高めます。

質の良い睡眠を確保することも重要です。

健康診断で異常を指摘されたら早めに内科へ

糖尿病は早い段階から適切に治療することで、合併症の発症や進行のリスクを減らすことが期待できます。

健康診断で

  • 血糖値が高い
  • HbA1cが高い
  • 肥満を指摘された

場合は、そのまま放置せず医療機関へ相談しましょう。

当院では、肥満や糖尿病に関する検査・治療・生活習慣改善のサポートを行っています。

立川市・国立市・昭島市・武蔵村山市周辺で糖尿病や肥満について相談できる内科をお探しの方は、お気軽にはごろも内科小児科へご相談ください。

まとめ|肥満が糖尿病を引き起こす理由を知り、早めの対策を

肥満が糖尿病を引き起こす理由は、内臓脂肪の増加によってインスリンの働きが低下し、血糖値が上がりやすくなるためです。

特に日本人は比較的軽度の肥満でも糖尿病になりやすいことが知られています。

  • お腹周りが気になる
  • 健康診断で血糖値を指摘された
  • 家族に糖尿病の人がいる

という方は、一度内科で相談してみることをおすすめします。

早めの対策が、将来の健康を守る第一歩になります。

よくある質問

やせていても糖尿病になりますか?

はい。インスリン分泌の低下が中心の方など、肥満のない2型糖尿病もあります。また、1型糖尿病を肥満や生活習慣だけで説明することはできません。

体重を減らせば薬は不要になりますか?

減量で血糖値が改善する場合はありますが、薬が必要かどうかは個別に異なります。自己判断で中止せず、検査結果をみながら相談してください。

立川市で肥満や糖尿病について相談したい方へ

はごろも内科小児科では、糖尿病や生活習慣病についてご相談いただけます。受診時は健診結果とお薬手帳、体重や食事の記録があればお持ちください。検査・治療は症状や持病に応じて検討します。

糖尿病の診療案内 / HbA1cの検査と目標値 / 診療時間・アクセス

参考情報

本記事は一般的な医療情報です。診断や治療方針は、診察と検査結果に基づき個別に判断します。

気になる症状を、専門医にご相談ください

立川市・国立市・八王子市など周辺地域の皆さまへ。糖尿病・甲状腺・生活習慣病など、一人ひとりの状態に応じて診療します。

WEB予約は24時間受付。電話受付は診療時間内です。

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この記事を書いた人

クリニック内科・糖尿病内科【糖尿病 高血圧 内分泌 甲状腺】 
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

クリニック内科・糖尿病内科院長。
2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。


日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

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