糖尿病でも主食は抜くべき?ご飯の適量と糖質制限の注意点

「糖尿病と言われたので、ご飯を食べないようにしています」という声をよく耳にします。確かに主食に含まれる糖質は血糖値を上げますが、主食をまったく抜いてしまうことには、別のリスクもあります。

この記事では、主食を抜かないほうがよい理由と、ご飯の量の目安、糖質制限を考えるときの注意点を解説します。

目次

主食を抜かないほうがよい理由

  • 低血糖の危険:インスリンやSU薬などを使っている方は、主食を抜くと低血糖を起こすことがあります。
  • 次の食事で血糖値が上がりやすい:食事を抜くと、次の食事で血糖値が急上昇しやすくなります。
  • 脂質やたんぱく質のとりすぎ:主食を減らした分、おかずが増えると、脂質や塩分が多くなりがちです。
  • 筋肉量の低下:エネルギー不足が続くと筋肉が減り、かえって血糖値が下がりにくい体になることがあります。

ご飯の量の目安

必要な主食の量は、体格や活動量、治療内容によって異なります。例えば1日のエネルギー量が1,600kcal前後の方では、1食あたりご飯150g前後(茶碗に軽く1杯程度)がひとつの目安です。ご自身に合った量は、主治医や管理栄養士と相談して決めましょう。

1日のエネルギー量の考え方は、糖尿病の食事療法の基本で解説しています。

血糖値を上げにくい主食のとり方

  • 白米に麦や雑穀を混ぜる、玄米にするなど、食物繊維の多い主食を選ぶ
  • パンは菓子パンより、全粒粉やライ麦のパンを選ぶ
  • 麺類や丼ものの単品は避け、野菜やたんぱく質のおかずを添える
  • 野菜などのおかずから食べ始め、主食は後半に食べる
  • ご飯は計量して、毎回同じ量を盛りつける習慣をつける

糖質制限を始める前に確認したいこと

極端な糖質制限は、一時的に血糖値や体重が下がっても、長く続けることが難しく、体に負担がかかることもあります。次のような方は、自己判断で糖質制限を始めず、必ず主治医に相談してください。

  • インスリンやSU薬などを使っている方(低血糖のおそれ)
  • SGLT2阻害薬を使っている方(ケトアシドーシスのおそれ)
  • 腎臓の働きが低下している方(たんぱく質のとりすぎに注意)
  • 高齢の方、やせ型の方(筋肉量の低下に注意)
  • 妊娠中の方

糖質を適度に控える方法が合う方もいますので、治療内容に合わせて一緒に考えていきましょう。

よくある質問

パンや麺はご飯より血糖値が上がりやすいですか?

種類や食べ方によって異なります。うどんや食パンなどは血糖値が上がりやすい傾向がありますが、量やおかずとの組み合わせで上がり方は変わります。

夜だけ主食を抜くのはどうですか?

薬の種類によっては夜間の低血糖につながることがあります。量を少し減らすなど、主治医と相談しながら調整しましょう。

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監修:はごろも内科小児科 院長 田丸新一(医学博士)
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医/日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医/日本内科学会 総合内科専門医

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この記事を書いた人

はごろも内科小児科【糖尿病 高血圧 内分泌 甲状腺 在宅医療】 
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

立川市、国立市を中心とした地域医療を展開する、はごろも内科小児科院長。
2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。


日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

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