糖尿病の食事療法の基本|適正なエネルギー量とバランスの整え方

糖尿病の食事療法は、「食べてはいけないものを我慢する」ことではありません。体に必要な量を、バランスよく、規則正しく食べることで、血糖値を安定させるのが目的です。
この記事では、1日の適正なエネルギー量の考え方と、栄養バランスの整え方、毎日の食事で取り入れやすい工夫を解説します。
食事療法の目的
食事療法の目的は、血糖値を良好に保つことに加えて、適正な体重を維持し、血圧や脂質を整えて合併症を防ぐことです。薬を使っている方でも、食事療法は治療の土台になります。
1日のエネルギー量の目安
1日に必要なエネルギー量は、「目標体重」と「活動量」から考えます。
- 目標体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22〜25(年齢などにより主治医が設定します)
- 1日のエネルギー量(kcal)=目標体重×エネルギー係数
エネルギー係数は、座り仕事が多い方で25〜30、立ち仕事が多い方で30〜35、力仕事の多い方で35以上がひとつの目安です。実際には年齢、体重の推移、合併症の有無などをふまえて個別に決めます。
栄養バランスの整え方
1日のエネルギー量のうち、炭水化物は40〜60%程度、たんぱく質は20%までを目安にし、残りを脂質でとります。毎食、主食・主菜・副菜をそろえると、自然とバランスが整いやすくなります。
- 主食(ご飯・パン・麺):抜かずに適量を。量の目安は主食は抜くべき?ご飯の適量で解説しています。
- 主菜(魚・肉・卵・大豆製品):脂の多い肉より、魚や大豆製品を多めに。
- 副菜(野菜・海藻・きのこ):食物繊維を1日20g以上とることを目標にします。
毎日の食事で取り入れたい工夫
- 1日3食を、なるべく決まった時間に食べる
- 野菜などのおかずから食べ始め、よく噛んでゆっくり食べる
- 甘い飲み物や菓子類、果物のとりすぎに注意する
- 塩分を控え、だしや香辛料で味に変化をつける
- アルコールは主治医と相談し、飲む場合は量を決める
- 夕食が遅くなる日は、夕方に主食を少し食べる「分食」も検討する
食後の血糖値の上がり方を抑える具体的な方法は、食後高血糖を防ぐ食事法で紹介しています。
続けるためのコツ
完璧を目指すより、「甘い飲み物をお茶に変える」「野菜を1品増やす」など、できることから少しずつ取り組むのが長続きのコツです。献立の参考には糖尿病の食事に取り入れたいレシピもご活用ください。
糖尿病の食事療法には「糖尿病食事療法のための食品交換表」などのツールもあります。腎症など合併症がある場合は、たんぱく質や塩分の制限が必要になることもあるため、主治医や管理栄養士と相談しながら進めましょう。
よくある質問
好きなものは一切食べられないのですか?
一切禁止ということはありません。1日の全体量とバランスの中で、量や頻度、食べるタイミングを工夫すれば楽しむことができます。
外食が多いのですが、気をつけることは?
丼ものや麺類の単品より、定食など主食・主菜・副菜がそろうメニューを選び、ご飯の量を調整するのがおすすめです。
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監修:はごろも内科小児科 院長 田丸新一(医学博士)
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医/日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医/日本内科学会 総合内科専門医




