甲状腺疾患と乳児の発育|立川市の内科がやさしく解説します

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はじめに|赤ちゃんの「成長が遅い」は甲状腺の影響かも?

赤ちゃんの成長や発達が他の子と比べて遅いと、保護者の方はとても心配になりますよね。
実は、その背景に「甲状腺疾患」が隠れていることがあります。

この記事では、立川市の内科『はごろも内科小児科』が、甲状腺疾患と乳児の発育との関係について、わかりやすく解説します。


甲状腺って何をしている臓器?

甲状腺は首の前側にある小さな臓器で、体の代謝をコントロールするホルモン(甲状腺ホルモン)を出しています。

このホルモンは、以下の働きに関わります:

  • 脳や身体の発達
  • 骨や筋肉の成長
  • 体温やエネルギーの調節

特に乳児期(0〜1歳)の発育には、甲状腺ホルモンが欠かせません。


甲状腺疾患と乳児の発育の関係とは?

先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)

赤ちゃんが生まれつき甲状腺ホルモンを作れない、または非常に少ない状態です。
放置すると:

  • 成長が遅れる
  • 運動発達が遅れる
  • 知的発達にも影響が出る

このため、日本ではすべての赤ちゃんに「新生児マススクリーニング(先天性代謝異常検査)」が行われ、早期発見・治療ができる体制が整っています。


見逃されやすい症状とは?

乳児期に以下のような症状がみられる場合は、甲状腺の検査が勧められることもあります:

  • よく眠る・あまり泣かない
  • 顔がむくんでいる
  • 便秘がち
  • 哺乳力が弱い
  • 舌が大きく見える
  • 手足が冷たい

これらは甲状腺ホルモンの不足による典型的なサインです。


治療はどうするの?

治療は不足している甲状腺ホルモンを内服で補います
早期に治療を始めれば、発育・発達は正常に追いつきます。

  • 毎日の内服(レボチロキシン)
  • 定期的な血液検査でホルモン量を確認
  • 小児科と内分泌専門医による経過観察

保護者ができることは?

  • 新生児検査の結果は必ず確認しましょう
  • 健診などで「発育が遅い」と言われたら相談を
  • 家族に甲状腺疾患や糖尿病がある場合は、リスクが高くなることもあります

甲状腺疾患と糖尿病の関係も知っておこう

実は、糖尿病(特に1型)と甲状腺疾患は自己免疫性疾患として関連が深いといわれています。
そのため、甲状腺疾患のある親御さんの赤ちゃんでは、より注意深く発育を見守ることが大切です。


立川市で赤ちゃんの発育相談なら|はごろも内科小児科

立川市の『はごろも内科小児科』では、小児科・内科・糖尿病内科の視点から、乳児の発育や甲状腺・ホルモンの問題に丁寧に対応しています。

  • 新生児検査後の相談
  • 発育の不安への対応
  • ご家族の糖尿病・甲状腺疾患との関連チェック

お気軽にご相談ください。


まとめ|早期発見と継続的なケアが未来を守る

甲状腺疾患と乳児の発育には深い関係があります。
赤ちゃんの「ちょっと気になる変化」を見逃さず、必要なときは医療機関へ相談しましょう。
早期の対応で、お子さんの健やかな成長をサポートできます。

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この記事を書いた人

はごろも内科小児科【糖尿病 高血圧 内分泌 甲状腺 在宅医療】 
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

立川市、国立市を中心とした地域医療を展開する、はごろも内科小児科院長。
2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。

日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

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