更年期と甲状腺:よく似た症状に注意

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はじめに:更年期の不調、実は甲状腺が原因かも?

40代〜50代を中心に多くの方が感じる「更年期のつらさ」。ほてり、疲れやすさ、気分の落ち込み…。これらの症状は、更年期によるホルモンバランスの変化と思われがちですが、実は甲状腺の病気でも同じような症状が出ることがあります。

この記事では、**「更年期と甲状腺の関係」**について、わかりやすくご紹介します。


更年期とは?男女ともに起こる体の変化

「更年期」は、女性だけでなく男性にも起こる身体と心の変化です。女性は閉経前後の10年間(おおよそ45~55歳)、男性は加齢により徐々にホルモンが減少していきます。

主な症状は以下の通りです:

  • ほてり・発汗
  • 疲れやすい
  • イライラ・不安感
  • 不眠
  • 動悸(どうき)
  • 集中力の低下

しかしこれらの症状、甲状腺の病気でもよく見られるものなんです。


甲状腺の病気とは?知っておきたい基礎知識

甲状腺は首の前にある小さな臓器で、全身の代謝を調整するホルモンを出しています。

代表的な病気には次の2つがあります:

1. バセドウ病(甲状腺機能亢進症)

  • 甲状腺ホルモンが多く出すぎてしまう
  • 症状:動悸、汗が多い、体重減少、イライラ、不眠 など

2. 橋本病(甲状腺機能低下症)

  • 甲状腺ホルモンが少なくなる
  • 症状:疲れやすい、寒がり、むくみ、うつっぽい、体重増加 など

これらは更年期と非常によく似た症状を持っているため、区別がつきにくいことがあります。


甲状腺の不調は糖尿病にも関係が?

実は、甲状腺の病気と糖尿病は関連性があることが知られています。特に1型糖尿病や自己免疫性の糖尿病の方は、甲状腺疾患を合併しやすい傾向があります。

また、甲状腺ホルモンの異常があると血糖のコントロールが悪くなりやすく、体調不良が重なることも。逆に、糖尿病の方が「なんだか調子が悪い」と感じたとき、甲状腺の検査で異常が見つかるケースもあります。


更年期だと思ったら、まずは内科で相談を

「年齢的に更年期かな」と思って放置していると、実は甲状腺の病気や糖尿病が隠れていた…ということもあります。

立川市にある当院「はごろも内科小児科」では、血液検査で甲状腺ホルモンや糖尿病のチェックが可能です。内科の視点から、体全体のバランスを考えた診療を行っています。


まとめ:早めの受診で体と心を守りましょう

更年期と甲状腺疾患は、症状がとても似ていて見分けがつきにくいもの。自己判断で済ませず、気になる症状がある場合は内科での検査をおすすめします。

立川市で内科をお探しの方は、「はごろも内科小児科」へお気軽にご相談ください。


よくあるご質問(FAQ)

Q. 甲状腺の検査はどのように行いますか?
A. 血液検査で甲状腺ホルモン(TSH、FT3、FT4など)を調べます。必要に応じて超音波検査も行います。

Q. 更年期と甲状腺の違いはどうやって見分けますか?
A. 症状だけでは区別がつきにくいため、血液検査でホルモンの状態を確認することが重要です。

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この記事を書いた人

はごろも内科小児科
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。


日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

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