痛み止めの種類と使い方:NSAIDsとアセトアミノフェン

日常生活で「頭が痛い」「腰が重い」「膝がズキズキする」といった慢性的な痛みに悩む方は多くいらっしゃいます。こうした痛みに対して、手軽に使える「痛み止め(鎮痛薬)」ですが、実は種類や使い方によって効果も副作用も大きく異なります。

ここでは、代表的な痛み止めである「NSAIDs(エヌセイズ)」と「アセトアミノフェン」について、『はごろも内科小児科』がわかりやすく解説します。


NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)とは?

NSAIDsは、「炎症を抑えて痛みを軽くする」タイプの鎮痛薬です。病院でもよく処方され、市販薬にも多く使われています。

主な特徴

  • 痛み・熱・炎症を抑える
  • 例:ロキソニン®(ロキソプロフェン)、ボルタレン®(ジクロフェナク)など
  • 急性の腰痛、関節痛、頭痛、月経痛に適している

注意点

  • 胃が荒れやすい
  • 高齢者や胃潰瘍のある方には慎重に使用
  • 腎機能や血圧にも影響を与えることがある

糖尿病の方は腎臓への影響に注意が必要です。腎臓を守るために、NSAIDsの連用は避けましょう。


アセトアミノフェンとは?

アセトアミノフェンは、「熱や痛みをやわらげる」作用がありますが、炎症を抑える作用は弱めです。

主な特徴

  • 胃への負担が少ない
  • 小児・妊婦・高齢者にも使いやすい
  • 熱、軽度の頭痛・筋肉痛などに有効

注意点

  • 効果が穏やかで、強い痛みには不十分なことも
  • 過量摂取による肝障害に注意(特にアルコールを多く摂取する方)

糖尿病患者さんが安全に使える鎮痛薬として、アセトアミノフェンは第一選択となることもあります。


痛み止めを選ぶときのポイント

自己判断での長期服用は避けましょう

「市販薬だから大丈夫」と思って長期間服用すると、副作用のリスクが高まります。特に糖尿病や高血圧をお持ちの方は、医師に相談することが大切です。

内科で相談を

当院『はごろも内科小児科』(立川市)では、痛みの種類や持病に合わせた最適な鎮痛薬の選び方をご案内しています。市販薬の相談だけでもお気軽にお越しください。


まとめ:用途に応じて適切な使い分けを

鎮痛薬の種類特徴注意点
NSAIDs(ロキソニンなど)炎症・痛み・発熱に有効胃・腎臓への影響、持病のある方は注意
アセトアミノフェン胃にやさしく使いやすい効果が穏やか、過量に注意

痛み止めは「効けばいい」ではなく、「体に合った使い方」が大切です。『はごろも内科小児科』では、痛みや薬に関する不安にも丁寧に対応しています。

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この記事を書いた人

はごろも内科小児科
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。


日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

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