1型糖尿病と2型糖尿病の違い|原因・発症年齢・治療を比較

糖尿病には大きく分けて「1型」と「2型」があります。どちらも血糖値が高くなる病気ですが、原因や発症の仕方、治療の考え方は大きく異なります。

「生活習慣が悪かったから糖尿病になった」と誤解されることもありますが、特に1型糖尿病は生活習慣とは関係なく発症します。この記事では、両者の違いを表で比較しながら解説します。

目次

1型と2型の違いを表で比較

項目1型糖尿病2型糖尿病
主な原因自己免疫などで膵臓のβ細胞が壊れ、インスリンがほとんど出なくなる遺伝的な体質に、食べ過ぎ・運動不足・肥満・加齢などが重なる
発症しやすい年齢子どもや若い方に多いが、どの年齢でも起こる中高年に多いが、若い世代でも増えている
発症の仕方急に発症することが多い(ゆっくり進むタイプもある)ゆっくり進み、自覚症状が乏しい
体型やせ型〜標準の方が多い肥満の方が多いが、日本人では肥満でない方も多い
主な治療インスリン注射が必須食事・運動療法が基本。必要に応じて飲み薬や注射薬
割合日本の糖尿病の数%程度日本の糖尿病の大部分

1型糖尿病の特徴

1型糖尿病は、主に自分の免疫が膵臓のインスリンをつくる細胞(β細胞)を攻撃してしまうことで起こります。インスリンがほとんど分泌されなくなるため、生きていくためにインスリン注射が欠かせません。

のどの渇き、多尿、急な体重減少などで気づくことが多く、治療が遅れると糖尿病ケトアシドーシスという危険な状態になることがあります。一方で、数年かけてゆっくりインスリンが出なくなる「緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)」もあり、はじめは2型糖尿病と区別がつきにくい場合があります。

2型糖尿病の特徴

2型糖尿病は、インスリンの分泌が少なくなることと、インスリンが効きにくくなること(インスリン抵抗性)の両方が関わって起こります。遺伝的な体質に、食べ過ぎや運動不足、内臓脂肪の増加、加齢などが重なって発症します。

初期にはほとんど症状がなく、健診で見つかることが多いのが特徴です。食事療法と運動療法を基本に、必要に応じて飲み薬やGLP-1受容体作動薬、インスリンなどを組み合わせて治療します。

どちらのタイプか調べる検査

病型によって治療方針が変わるため、診断時には次のような検査で確認します。

  • 膵島関連自己抗体(抗GAD抗体など):陽性の場合、1型糖尿病を疑います。
  • Cペプチド:自分の膵臓からどれくらいインスリンが出ているかを調べます。
  • 血糖値・HbA1c・尿ケトン体:現在の血糖の状態や、ケトアシドーシスの兆候を確認します。

2型糖尿病と診断されていても、飲み薬で血糖値が下がりにくくなった場合などには、あらためて病型を確認することがあります。

よくある質問

1型糖尿病は生活習慣が原因ですか?

いいえ。1型糖尿病は、食べ過ぎや運動不足などの生活習慣が原因で起こる病気ではありません。ご本人やご家族を責める必要はありません。

2型糖尿病から1型糖尿病に変わることはありますか?

病型そのものが変わるわけではありませんが、はじめ2型と考えられていた方が、検査の結果、緩徐進行1型糖尿病と分かることがあります。

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監修:はごろも内科小児科 院長 田丸新一(医学博士)
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医/日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医/日本内科学会 総合内科専門医

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この記事を書いた人

はごろも内科小児科【糖尿病 高血圧 内分泌 甲状腺 在宅医療】 
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

立川市、国立市を中心とした地域医療を展開する、はごろも内科小児科院長。
2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。

日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

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