帯状疱疹後神経痛の長期化に注意

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帯状疱疹後神経痛とは?

帯状疱疹は、水ぼうそうの原因となるウイルスが体の中で再び活動し、皮膚に痛みを伴う発疹が出る病気です。発疹が治った後も、強い痛みが数か月以上続く状態を「帯状疱疹後神経痛」と呼びます。特に30~60代の方に多く見られ、生活の質に大きな影響を及ぼすことがあります。

なぜ長引くのか?

帯状疱疹後神経痛は、ウイルスによって神経が傷つくことが原因です。神経の回復には時間がかかり、人によっては数か月から1年以上、痛みが続くこともあります。痛みが長引くと、不眠や気分の落ち込み、生活習慣病の悪化につながることもあるため、早めの対応が大切です。

糖尿病のある方は注意が必要

特に糖尿病をお持ちの方は、帯状疱疹後神経痛が長引きやすい傾向があります。糖尿病による血流障害や神経障害が回復を遅らせるためです。糖尿病治療中の方は、帯状疱疹を発症した場合、早期に内科での治療と並行して神経痛対策を行うことが重要です。

どんな治療があるのか?

帯状疱疹後神経痛の治療には以下のような方法があります:

  • 内服薬(神経の痛みに効く薬、抗うつ薬、抗けいれん薬など)
  • 外用薬(痛みを和らげる貼り薬や塗り薬)
  • 神経ブロック注射(痛みの伝わりを抑える治療)

症状に応じて組み合わせることで、痛みをコントロールできます。

早期受診の重要性

「そのうち治るだろう」と思って受診を遅らせると、痛みが慢性化する可能性が高まります。発疹が出てから72時間以内に抗ウイルス薬を開始することが、帯状疱疹後神経痛の予防に大きく関係します。違和感やチクチクした痛みを感じたら、早めにご相談ください。

地域の皆さまへ

『はごろも内科小児科』では、立川市、国立市、日野市、東大和市など近隣地域から多くの患者さんにご来院いただいています。帯状疱疹後神経痛の長期化に注意し、早期治療で生活の質を守ることが大切です。帯状疱疹ワクチンも当院で接種可能です。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

はごろも内科小児科【糖尿病 高血圧 内分泌 甲状腺 在宅医療】 
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

立川市、国立市を中心とした地域医療を展開する、はごろも内科小児科院長。
2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。


日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

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