糖尿病患者は要注意!帯状疱疹のリスクとワクチンでの予防法

帯状疱疹とは?~誰にでも起こりうる感染症です~
帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、子どもの頃にかかった「水ぼうそう(水痘)」のウイルスが、体内に潜伏し、免疫力が低下したときに再活性化して起こる感染症です。赤く痛みをともなう発疹が神経に沿って現れるのが特徴で、皮膚の症状が治まっても「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼ばれる長引く痛みに悩まされる方もいます。
この帯状疱疹、実は糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病をお持ちの方では、特に注意が必要です。
なぜ糖尿病の方は帯状疱疹になりやすいの?
糖尿病の方は、免疫機能が低下しやすいことが知られています。血糖値が高い状態が続くと、細菌やウイルスに対する防御力が弱くなり、感染症にかかりやすくなるためです。帯状疱疹もそのひとつで、糖尿病患者さんでは発症リスクが約1.5倍以上になるという報告もあります(日本糖尿病学会などより)。
また、糖尿病にくわえて高血圧、甲状腺疾患、コレステロールの異常などをお持ちの方は、さらにリスクが高まる可能性があります。
帯状疱疹は「痛み」がつらい病気です
帯状疱疹は「赤いブツブツ」のイメージが強いかもしれませんが、最もつらいのは痛みです。特に50歳以上の方では、発疹が治ったあとも何ヶ月、時には何年も続く神経痛に悩まされるケースがあります。
帯状疱疹後神経痛は、日常生活や睡眠にも支障をきたすことがあり、糖尿病のある方では痛みが強く出やすい傾向があります。
帯状疱疹を防ぐには?~ワクチンという選択肢~
シングリックス(不活化ワクチン)
現在、国内で広く使われている帯状疱疹ワクチンには、「シングリックス」という不活化ワクチンがあります。50歳以上の方を対象に、2回の筋肉注射で90%以上の予防効果が期待でき、持続期間も10年以上とされています。
接種は「任意接種」と「定期接種」の違いに注意
帯状疱疹ワクチンは、現在ほとんどの自治体で「任意接種(自己負担)」ですが、地域によっては補助金や助成制度があり、「定期接種(助成あり)」のように扱われることもあります。
たとえば、立川市や国立市、多摩地域の一部では、50歳以上や60歳以上の方を対象に助成制度を設けている自治体もあります。詳しくは、お住まいの自治体ホームページや、当院スタッフまでお気軽にお尋ねください。
糖尿病がある方は、早めの予防がカギ
「私はまだ若いし大丈夫」「これまで一度も帯状疱疹になったことがない」
そう思っていませんか?
実際には、50歳を過ぎたころから発症率が急激に上昇し、糖尿病や高コレステロール血症をお持ちの方は、免疫力が落ちている分、若い方でも発症するリスクがあります。しかも、糖尿病の方では痛みが強く、治りにくい傾向があるため、ワクチンによる予防がとても重要です。
当院での帯状疱疹ワクチン接種について
『はごろも内科小児科』(立川市羽衣町)は、糖尿病・内科を専門とするクリニックとして、帯状疱疹の予防にも力を入れています。
- シングリックス接種は、予約制で対応
- 糖尿病、甲状腺疾患、脂質異常症などの既往がある方へのリスク説明を丁寧に行います
- 必要に応じて、助成制度の案内や自治体申請書類のサポートも可能です
特に多摩地域(立川市、国立市、小平市、東大和市など)にお住まいの方で、生活習慣病のある方は、早めにご相談ください。
まとめ:帯状疱疹の予防は、生活の安心につながります
帯状疱疹は、発症してしまうと長期間の痛みに悩まされることがあり、糖尿病や内科疾患をお持ちの方には特に注意が必要です。しかし、正しい知識と予防接種で、多くのリスクは減らすことができます。
「まだ早いかな…」と思っているうちに、突然発症することもあるため、ワクチン接種は“元気なうちに”が基本です。
ご不安な方やご質問のある方は、どうぞお気軽に『はごろも内科小児科』までご相談ください。