尿崩症とは?のどの渇きと多尿に要注意

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尿崩症ってどんな病気?

「最近やたらと喉が渇く」「水をたくさん飲むのに、何度もトイレに行く」…そんな症状に心当たりはありませんか?
こうした症状の背景には、尿崩症(にょうほうしょう)というホルモン異常の病気が隠れていることがあります。

尿崩症とは、体内の水分バランスを保つホルモン「バソプレシン(抗利尿ホルモン)」の分泌や働きに異常が生じ、水分がうまく再吸収されず、尿が大量に出てしまう疾患です。

糖尿病とどう違うの?

「多尿」と「のどの渇き」は糖尿病でもよく見られる症状です。そのため、初期の尿崩症は糖尿病と間違えられることもあります。

しかし、尿崩症では血糖値は正常です。糖尿病とは全く異なる仕組みで症状が起こっているため、きちんとした検査による鑑別が重要です。

尿崩症と糖尿病の違い(簡易比較)

項目尿崩症糖尿病
主な原因抗利尿ホルモンの異常インスリンの不足または作用異常
血糖値正常高いことが多い
尿の性質非常に薄い尿糖を含むことがある
治療方法ホルモン補充など食事療法・運動療法・薬物療法

どんな症状が出るの?

尿崩症の代表的な症状は以下のとおりです:

  • 一日に何リットルも水を飲んでしまう
  • 夜間もトイレに何度も起きる
  • 常にのどが渇く
  • 尿の量が異常に多い(1日3リットル以上)
  • 脱水症状(口の渇き・倦怠感・頭痛など)

尿崩症の原因は?

尿崩症にはいくつかのタイプがあります。

  • 中枢性尿崩症:脳の視床下部や下垂体に異常があり、抗利尿ホルモンが十分に分泌されないタイプ(脳腫瘍・外傷・手術後などが原因)
  • 腎性尿崩症:腎臓がホルモンに反応できないタイプ(遺伝性・薬剤性など)

どんな検査をするの?

「はごろも内科小児科」では、尿崩症が疑われる場合、以下のような検査を行います。

  • 血液検査(ナトリウム濃度・浸透圧など)
  • 尿検査(尿の濃さ・量の測定)
  • 水制限試験(バソプレシンの分泌を評価)
  • MRI(脳に異常があるかどうか)

患者さんの症状と検査結果を総合的に判断し、必要に応じて専門医療機関と連携して対応します。

尿崩症の治療法とは?

尿崩症の治療は、タイプにより異なります。

  • 中枢性尿崩症:デスモプレシン(バソプレシンの合成薬)によるホルモン補充療法
  • 腎性尿崩症:食塩制限や利尿剤による治療、原因薬剤の中止

症状が軽度であれば経過観察になることもあります。専門医の指導のもと、適切な管理を行いましょう。

のどの渇きや多尿に気づいたら早めの相談を

尿崩症は放置すると、脱水や電解質異常などのリスクが高まる可能性があります。
「ただの水分の摂りすぎかな?」と思っていても、体からの大切なサインかもしれません。

立川市の内科『はごろも内科小児科』では、尿崩症をはじめとする内分泌疾患の診断・治療に対応しています。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

はごろも内科小児科【糖尿病 高血圧 内分泌 甲状腺 在宅医療】 
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

立川市、国立市を中心とした地域医療を展開する、はごろも内科小児科院長。
2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。

日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

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