ネット情報の“甲状腺・ホルモンの誤解”を専門医が解説

インターネットにはさまざまな健康情報がありますが、「甲状腺」や「ホルモン」に関する情報は、とくに誤解が多い分野です。

「ネット情報の‘‘甲状腺・ホルモンの誤解‘‘を専門医が開設」し、立川市・国立市・日野市周辺で内科診療を行うはごろも内科小児科が、正しい知識をわかりやすくお伝えします。


目次

なぜ「甲状腺」「ホルモン」の誤解は多いの?

理由は大きく3つあります。

● ① 症状が幅広く、他の病気と似ている

疲れ・だるさ・体重変化・気分の落ち込みなど、誰にでも起き得る症状が多いためです。

● ② SNSで“個人の体験談”が拡散されやすい

改善例や不安を煽る投稿は拡散されやすく、医学的根拠のない情報が混じりやすい傾向があります。

● ③ 専門用語が多く、誤解しやすい

TSH・FT4・抗TPO抗体など、一般の方にはわかりにくい言葉がたくさんあります。


よくある誤解①「TSHが高い=すぐ治療が必要?」

誤解です。

TSH(甲状腺刺激ホルモン)が高いだけでは、必ずしも治療が必要とは限りません。

● 正しくは?

  • 甲状腺ホルモン(FT4)が正常なら「経過観察」でよいことも
  • 加齢や一時的な体調不良でもTSHは変動する
  • 抗体(橋本病の有無)も評価が必要

ネットでは「TSHがわずかでも高いとダメ」という極端な意見もありますが、専門的には誤りです。


よくある誤解②「甲状腺の病気=太る(or 痩せる)」

一部正しいが、完全ではありません。

● 甲状腺ホルモンが低下すると…

代謝が落ちて、太りやすくなることがあります。

● 甲状腺ホルモンが過剰だと…

代謝が上がり、痩せやすくなることがあります。

ただし体重は

  • 食事
  • 運動
  • ストレス
  • 睡眠
    など多くの要因で変動するため、

体重だけで甲状腺の異常を判断することはできません。


よくある誤解③「ストレスで甲状腺が壊れる?」

ストレスだけで甲状腺が壊れることは基本的にありません。

ただし、ストレスはホルモン全体のバランスを乱し、

  • 疲れ
  • 集中力の低下
  • 血糖値の上昇(→糖尿病悪化)
  • 睡眠の質の低下

などを引き起こします。

その結果、「ストレスの症状」なのに「甲状腺のせいかも」と誤解されることがあります。


よくある誤解④「ネットで買えるサプリでホルモンは整う?」

医学的には推奨できません。

  • ヨウ素(昆布など)は多すぎても少なすぎても甲状腺に負担
  • 海外サプリには甲状腺ホルモンが混入していた事例も
  • 過剰摂取はかえってホルモンバランスを乱すことがある

ホルモンの調整は非常に繊細です。医師のチェックなしのサプリはリスクがあります。


血糖値・コレステロールも「ホルモン」と密接に関係

甲状腺ホルモンの異常は、実は

  • 血糖値
  • HbA1c
  • コレステロール
  • 中性脂肪

にも影響します。

そのため、糖尿病治療がうまくいかないときに甲状腺が関係しているケースもあります。

「生活改善しても数値が良くならない」と悩む方は、ホルモンのチェックを受ける価値があります。


こんな症状がある方は検査をおすすめします

  • 慢性的な疲れ
  • だるさ
  • 動悸
  • 発汗が多い・少ない
  • 気分の落ち込み
  • 体重の変化
  • 血糖値・コレステロールが悪化
  • サプリを飲んでいて不安

1つでも当てはまる場合、甲状腺の検査が不調の原因を明確にする助けになります。


立川市・国立市・日野市で内科をお探しの方へ

はごろも内科小児科では、

  • ネット情報に振り回されて不安
  • 甲状腺の検査をしたい
  • ホルモンバランスが気になる
  • 糖尿病や脂質異常が改善しない

といった方の相談を多くお受けしています。

血液検査(TSH・FT4・抗体)やエコーで甲状腺の状態を正確に評価できます。


まとめ|ネット情報と正しい医療情報のバランスが大切

  • 甲状腺・ホルモンは誤解されやすい分野
  • 「TSHが高い=治療」とは限らない
  • 体重や疲れだけでは判断できない
  • 血糖値・糖尿病とも深く関わる
  • 不安があるときは医療機関で検査を

立川市・国立市・日野市で内科をお探しの方は、はごろも内科小児科へお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

はごろも内科小児科【糖尿病 高血圧 内分泌 甲状腺 在宅医療】 
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

立川市、国立市を中心とした地域医療を展開する、はごろも内科小児科院長。
2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。


日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

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