甲状腺の薬は一生飲み続けるの?

目次

はじめに|甲状腺とお薬の関係って?

甲状腺の薬は一生飲み続けるの?」と不安に思われたことはありませんか?
甲状腺の病気には、ホルモンの分泌が多すぎる「バセドウ病」や、逆に少なすぎる「橋本病(甲状腺機能低下症)」などがあります。

これらの治療では、薬を長く続ける必要があることも。
また、糖尿病と同じく「体のバランスを整える」ための治療なので、継続の重要性を理解することが大切です。

この記事では、立川市の内科『はごろも内科小児科』が、甲状腺の薬について、一般の方向けにわかりやすく解説します。


甲状腺の病気ってどんなもの?

甲状腺は、首の前側にある小さな臓器で、代謝や体温、心拍など体のバランスを整える「甲状腺ホルモン」を出しています。

主な病気には:

  • 甲状腺機能低下症(橋本病など):ホルモンが不足
  • 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など):ホルモンが過剰
  • 甲状腺結節や腫瘍:しこりや腫れがみられる状態

それぞれの病気によって、治療法や薬の種類・期間が異なります。


甲状腺の薬ってどんな薬?

橋本病(機能低下症)の薬

→ 不足している甲状腺ホルモン(レボチロキシン)を補う薬です。
体に必要なホルモン量を毎日飲んで補うことで、体調を安定させます。

バセドウ病(機能亢進症)の薬

→ 甲状腺の働きを抑える薬(抗甲状腺薬)を使用します。
ホルモンが出すぎないようにコントロールします。


甲状腺の薬は一生飲み続けるの?

病気の種類と重症度によって異なります

<甲状腺機能低下症(橋本病)の場合>

多くの方は一生薬を続ける必要があります
これは、甲状腺の機能が回復しないことが多いためです。
ただし、量の調整は可能で、定期的な血液検査で必要量を見直します。

<バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の場合>

数年で薬をやめられる人もいます。
ただし、再発の可能性があるため、自己判断で中断せず、医師の指示に従いましょう。


甲状腺の薬と糖尿病の関係

実は、糖尿病と甲状腺の病気は同時に起こることがよくあります
どちらもホルモンに関係する病気であり、自己免疫疾患の一つとして関連があるとされています。
当院では、糖尿病の診療とあわせて甲状腺の管理も可能です。


甲状腺の薬を飲み続ける上での注意点

  • 飲み忘れに注意:毎日同じ時間に飲むことが重要です
  • サプリや他の薬との併用注意:カルシウム・鉄分などは吸収に影響することも
  • 定期的な血液検査が必要:半年~1年ごとにホルモン量をチェックします

立川市で甲状腺の治療をご希望の方へ

『はごろも内科小児科』では、甲状腺疾患と糖尿病の両方に対応しています。
「甲状腺の薬は一生飲まないといけないの?」と不安な方も、丁寧にご説明いたします。
立川市や多摩地域の皆さまに、安心して治療を受けていただける環境を整えております。


まとめ|薬の継続は「安心して生活するため」

甲状腺の薬は一生飲み続けるの?」という疑問には、「病気によるけれど、安心して生活するために必要な薬です」とお答えできます。

薬を続けることで、疲れやすさ・体重変化・むくみ・動悸などの症状を予防し、健康を維持することができます。

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

はごろも内科小児科【糖尿病 高血圧 内分泌 甲状腺 在宅医療】 
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

立川市、国立市を中心とした地域医療を展開する、はごろも内科小児科院長。
2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。

日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

目次