バセドウ病の初期症状と検査について|わかりやすく解説

「最近、動悸がする」「汗をかきやすくなった」「手が震える」――そんな症状、バセドウ病の初期サインかもしれません。

この記事では、バセドウ病の初期症状や検査方法について、わかりやすく解説します。


目次

バセドウ病とは?甲状腺ホルモンが過剰になる病気

バセドウ病は、甲状腺が過剰に働いてしまう病気(=甲状腺機能亢進症)です。
主に自己免疫の異常
により、甲状腺を刺激する抗体(TSHレセプター抗体)が作られ、ホルモンが必要以上に分泌されてしまいます。

ホルモンが過剰になることで、体の代謝が異常に高まり、さまざまな症状が現れます。


バセドウ病の初期症状|こんなサインにご注意を

バセドウ病の症状は、多くの場合徐々に現れるため、初期の段階では「体質が変わった?」と見過ごされがちです。

主な初期症状

  • 動悸・息切れがしやすくなる
  • 暑がり・汗が多くなる
  • 手の震え(細かいふるえ)
  • イライラしやすい・気分の波が大きい
  • 体重が減っているのに食欲がある
  • 疲れやすい・だるい
  • 首元(甲状腺)の腫れが目立つ

特に「暑がりになった」「動悸がする」といった症状は、更年期障害やストレスと間違われることもあります。


バセドウ病と糖尿病の関係

バセドウ病をはじめとする甲状腺疾患は、糖尿病との関連が指摘されています

特に1型糖尿病は自己免疫疾患であり、バセドウ病や橋本病と合併しやすいことが知られています。また、甲状腺ホルモンが多いと、血糖値のコントロールが乱れやすくなるため、2型糖尿病の方も注意が必要です。

「血糖値の変動が大きい」「最近、体重が急に減った」といった場合には、甲状腺の検査も一度受けてみることをおすすめします


バセドウ病の診断方法|はごろも内科でも検査可能です

バセドウ病は、以下のような検査で比較的正確に診断できます。

1. 血液検査(甲状腺ホルモン・抗体検査)

  • FT3・FT4(甲状腺ホルモン):高値
  • TSH(甲状腺刺激ホルモン):低値
  • TRAb(TSHレセプター抗体):陽性

これらの数値で、甲状腺が過剰に働いているかどうかが判断されます。

2. 超音波検査(エコー)

  • 甲状腺の大きさや血流の増加、しこりの有無を確認します。
  • 痛みのない簡単な検査です。

3. 心電図検査

  • 動悸や不整脈の有無を確認するために行われることがあります。

バセドウ病の治療法は?

バセドウ病の治療は大きく3つの方法があります。症状の程度や年齢、ライフスタイルによって適切な治療法が選ばれます。

1. 抗甲状腺薬による治療(チアマゾールなど)

  • 最も一般的な治療法で、内科での通院治療が可能です。
  • ホルモン分泌を抑える薬を継続的に服用します。

2. 放射性ヨウ素治療

  • 特殊な放射性物質を使って、甲状腺の働きを抑える方法。
  • 内服で治療ができ、再発が少ない利点があります。

3. 手術療法

  • 甲状腺の一部または全体を切除します。
  • 重症例や薬が効かない場合に検討されます。

バセドウ病は放っておくと危険?

バセドウ病を治療せずに放置すると、以下のような合併症が起こるリスクがあります。

  • 心房細動などの不整脈
  • 骨粗しょう症
  • 筋力の低下
  • 重度の疲労感
  • 甲状腺クリーゼ(命に関わる重篤な状態)

「ちょっとした不調だから…」と我慢せず、早めの検査と診断が重要です。


よくある質問(Q&A)

Q. バセドウ病は完治しますか?
A. 再発の可能性はありますが、早期発見と適切な治療で日常生活に支障なく過ごすことができます。

Q. バセドウ病は遺伝しますか?
A. 遺伝的要因も関与しているとされますが、必ず発症するわけではありません。家族に甲状腺疾患がある方は注意が必要です。


「なんとなく調子が悪い」はバセドウ病のサインかも

バセドウ病は早期に発見して治療すれば、コントロールが可能な病気です。

「最近、動悸や疲労感が気になる」「汗をかきやすい」「目が出てきた気がする」と感じている方は、内科での甲状腺検査をおすすめします。


バセドウ病の検査・相談は『はごろも内科小児科』(立川市・国立市)へ

当院では、糖尿病や甲状腺疾患の専門的な診療を行っております。
「もしかして…」と不安を感じたら、まずはお気軽にご相談ください。

地域のかかりつけ内科として、皆さまの健康をサポートいたします。

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この記事を書いた人

はごろも内科小児科【糖尿病 高血圧 内分泌 甲状腺 在宅医療】 
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

立川市、国立市を中心とした地域医療を展開する、はごろも内科小児科院長。
2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。

日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

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