糖尿病性網膜症とは?初期症状と予防法を解説

糖尿病は、全身にさまざまな合併症を引き起こす病気です。その中でも特に注意したいのが、「糖尿病性網膜症(とうにょうびょうせいもうまくしょう)」という目の病気です。

放っておくと失明につながることもあるため、早期の発見と予防がとても大切です。糖尿病性網膜症の初期症状や予防法を、わかりやすくご紹介します。


目次

糖尿病性網膜症とは?

糖尿病の影響で、目の奥にある「網膜(もうまく)」という部分の細い血管が傷つき、視力が低下していく病気です。

日本では、成人の失明原因の第1位がこの糖尿病性網膜症です。しかし、適切に治療と予防をすれば、進行を防ぐことができます。


初期症状は気づきにくい?見逃さないためのポイント

● 初期にはほとんど症状がない

実は、糖尿病性網膜症の初期段階では自覚症状がないことが多いです。そのため、「見えるから大丈夫」と思っていると、進行してから気づくことになりかねません。

● 進行するとこんな症状が…

  • 目がかすむ、ぼやける
  • 視界の一部が暗くなる
  • 小さな黒い点(飛蚊症)のようなものが見える
  • 視力の急激な低下

こうした症状が出た時には、病気がかなり進行している可能性があります。


予防の基本は「血糖コントロール」と「定期検査」

1. 血糖値の管理が何より大切

糖尿病性網膜症は、血糖値のコントロールが悪いほど進行しやすくなります。HbA1c(ヘモグロビンA1c)を目安に、主治医と相談しながら治療を続けましょう。

2. 定期的な眼科受診を忘れずに

糖尿病と診断された方は、少なくとも年1回は眼科での検査を受けましょう。初期段階の網膜症は、眼科での検査でしか発見できません。

3. 血圧・脂質の管理も重要

高血圧や脂質異常症があると、網膜の血管へのダメージが強くなり、症状が進みやすくなります。内科での総合的な管理が重要です。


どんな人が注意すべき?

  • 糖尿病の治療を始めて数年たった方
  • HbA1cが7.0%以上の方
  • 高血圧や脂質異常症もある方
  • 喫煙習慣がある方
  • 妊娠中の糖尿病(妊娠糖尿病)の方

自覚症状がなくても、「自分は大丈夫」と思わずに、定期的にチェックすることが一番の予防です。


まとめ:目の健康も、糖尿病治療の一部です

糖尿病性網膜症は、「静かに進行する失明のリスク」です。
ですが、早めの対策でしっかり予防できます

立川市・国立市で糖尿病の治療を行っている『はごろも内科小児科』では、糖尿病の全身管理に力を入れています。眼科との連携も含め、目の健康を守るサポートをしています。


よくある質問(Q&A)

Q. 視力が良いので、眼科には行かなくてもいいですか?
A. いいえ。視力に異常がなくても、網膜症が進行していることがあります。糖尿病と診断されたら、定期的な眼科受診が必要です。

Q. 一度進行した網膜症は治りますか?
A. 軽度であれば治療によって改善しますが、進行すると視力の回復が難しくなります。だからこそ、予防と早期発見が重要です。


ご相談は『はごろも内科小児科』へ

糖尿病とその合併症について不安のある方は、お気軽にご相談ください。『はごろも内科小児科』では、生活習慣の改善から定期検査のご案内まで、総合的にサポートしています。

目の健康を守るためにも、早めの一歩を踏み出しましょう。

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この記事を書いた人

はごろも内科小児科【糖尿病 高血圧 内分泌 甲状腺 在宅医療】 
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。立川市、国立市を中心とした地域医療を展開する、はごろもないか小児科院長に就任。


日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

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