在宅医療
在宅医療は、病院や診療所への通院が困難な方を対象に、医師や看護師が自宅を訪問し診療や治療を行う医療サービスです。高齢者や重度の障がい・慢性疾患を持つ方が対象となり、糖尿病の管理やインスリン療法、その他の注射療法も対応可能です。定期的な訪問診療に加え、24時間対応の緊急往診も提供されます。訪問看護やリハビリ、薬剤管理など多職種と連携し、患者が住み慣れた環境で安心して生活できるよう支援します。
チーム医療
在宅医療は、医師だけで完結する医療ではありません。患者さんがご自宅で安心して療養生活を送るためには、さまざまな専門職が連携する「チーム医療」がとても重要です。
当院では、訪問診療を通じて、訪問看護師、薬剤師、ケアマネジャー、訪問リハビリスタッフ、訪問介護員など多職種の方々と密接に連携しています。それぞれの専門性を活かしながら、患者さんの状態やご家族の希望に合わせて、柔軟で丁寧な支援を行っています。
たとえば、医師が診断・治療方針を決め、訪問看護師が日々の体調を観察、薬剤師が服薬の工夫や副作用のチェックを行い、ケアマネジャーが介護サービスの調整を担当します。
必要に応じてご家族への支援や、終末期ケア(看取り)にも対応しています。
「病院ではなく、住み慣れた自宅で過ごしたい」というお気持ちを支えるのが、在宅チーム医療の大きな役割です。
診療範囲
当院の在宅医療は、法律によりクリニックから直線距離で16km以内の範囲で行うことが定められています。
この範囲には、立川市全域のほか、国立市・国分寺市・昭島市・府中市・日野市・小平市・武蔵村山市・東大和市などの一部地域が含まれます。
正確な訪問可能エリアは、ご住所によって異なりますので、「自宅が対象エリアに入るか分からない」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。
地域の医療機関・訪問看護・介護サービスとも連携しながら、住み慣れたご自宅で安心して療養できるようサポートいたします。
在宅医療:導入までの流れ
当院では、通院が困難な方やご自宅での療養を希望される方に向けて、在宅医療(訪問診療)を提供しています。導入までの流れは以下のとおりです。
① ご相談・お問い合わせ
まずはお電話または来院時に、在宅医療についてご相談ください。ご本人だけでなく、ご家族・ケアマネジャー・施設スタッフの方からのご相談も受け付けております。
② 医師との面談・初回評価
現在のご病状や生活環境、ご家族のご希望などについてお伺いします。入院中の方は、主治医との情報共有を行い、退院前カンファレンスへの参加も可能です。
③ 診療方針の説明・ご契約
訪問頻度、緊急時対応、医療内容(内服調整、注射、検査など)について詳しくご説明いたします。納得いただいたうえで「訪問診療同意書」「契約書」をご記入いただきます。
④ 訪問診療の開始
医師がご自宅へ定期的に訪問します。診察・処方・必要な検査や処置を行い、状態に応じて看護・リハビリ・訪問薬剤管理なども連携していきます。ご希望があれば、ご家族への説明・相談も随時対応いたします。
⑤ 継続診療・連携サポート
必要に応じて、訪問看護ステーション、ケアマネジャー、訪問薬局、介護事業所、地域の病院などと連携し、チームで支援します。状態変化時には、緊急往診や入院先の紹介にも対応します。
🌸こんなときご相談ください
- 病院に通うのがつらくなってきた
- 退院後、自宅での療養を考えている
- 自宅での看取りを希望している
- 医師に定期的に診てもらいたい
在宅医療の費用について
在宅医療では、医師が定期的にご自宅を訪問し、診察・処方・検査・処置などを行います。費用は健康保険や後期高齢者医療制度が適用され、自己負担割合に応じて次のような目安となります。
【月2回の定期訪問診療の場合の自己負担額(概算)】
- 1割負担の方:月6000円~7000円程度
- 2割負担の方:月9500円~11000円程度
- 3割負担の方:月16000円~20000円程度
検査や医療処置、緊急時の往診などがある場合は、別途加算があります。
なお、高額療養費制度の対象となる場合は、月ごとの自己負担額に上限が設定されます。障害者医療費助成制度、特定疾患受給者証などをお持ちの方は、自己負担が軽減される場合もあります。
費用の詳細やご自身の負担額について不安がある場合は、個別に丁寧にご説明いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。