高齢者のうつ病と在宅医療での支援― 立川市・国立市で内科診療・在宅ケアを検討中の方へ ―

「最近、祖父母が元気がない」「話しかけても反応が薄くなった」…
こうした変化は、もしかすると高齢者のうつ病のサインかもしれません。

高齢になると、身体の病気や社会的な孤立、生活環境の変化により、うつ状態になるリスクが高まります。特に糖尿病や慢性疾患を抱える高齢者では、心の健康にも注意が必要です。

この記事では、高齢者のうつ病の特徴と、在宅医療でどのような支援が可能かについて、立川市・国立市の内科医の視点からわかりやすく解説します。


目次

高齢者のうつ病とは?― 若い人のうつ病とは違う特徴

高齢者のうつ病は、若い世代と比べて「気分の落ち込み」よりも、「身体の不調」や「意欲の低下」といった症状が前面に出ることがあります。

よく見られる症状:

  • 食欲がなくなる・体重が減る
  • 睡眠の質が悪くなる(早朝覚醒など)
  • 人との交流を避ける・趣味に興味を示さなくなる
  • 「体がだるい」「何もやる気がしない」と訴える
  • 表情や会話が乏しくなる

注意点:

  • 身体の不調に隠れてうつ病が見逃されやすい
  • 周囲の人が「歳のせい」と誤解してしまうこともある

糖尿病など慢性疾患と高齢者のうつ病の関係

糖尿病・高血圧・心不全などの慢性疾患を持つ高齢者は、通院や服薬の負担、病気への不安から抑うつ状態になりやすいとされています。

特に糖尿病の方は、血糖値の変動による疲労感や集中力の低下が、気分の落ち込みに拍車をかけることもあります。

このため、内科的な治療と並行して、心のケアも重要となります。


在宅医療でできる高齢者うつ病の支援

高齢者が通院できない、もしくは通院が心身の負担になっている場合、在宅医療が有効な支援手段となります。

在宅医療での具体的な支援内容:

  • 医師が自宅での診察を行い、身体と心の両面をチェック
  • 必要に応じて、抗うつ薬や睡眠薬の処方・調整
  • 在宅看護師による定期的な訪問と見守り
  • ご家族へのアドバイスや介護ストレスの相談対応
  • 認知症との鑑別や併存の確認(専門医と連携)

在宅医療のメリット

項目内容
安心できる自宅でのケア通院の負担がなく、本人も安心しやすい
継続的な見守り医療者が定期訪問することで、うつ症状の悪化に早期対応
ご家族のサポートも可能介護者への心理的サポートも同時に行える
地域包括ケアとの連携地域の介護・福祉資源とつながることで支援体制が整う

ご家族が気づくべきサインとは?

高齢者本人は「自分がうつ病かもしれない」と気づきにくく、受診も拒むことがあります。ご家族が以下のようなサインに注意し、早めに医療機関へ相談することが大切です。

  • 最近、会話が減って笑顔が少なくなった
  • 食事の量が減った/ほとんど外に出たがらない
  • 「生きていてもしょうがない」などの発言が増えた

立川市・国立市で在宅医療を受けたい方へ

当院「はごろも内科小児科」では、内科・糖尿病の診療を中心に、在宅医療にも対応しております。

  • 医師による定期訪問診療(立川市・国立市エリア)
  • 高齢者のうつ病を含む精神的ケアも視野に入れた対応
  • 地域包括支援センターや訪問看護との密な連携

「うつ症状かも?」と感じたときは、早めにご相談ください。ご家族の不安にも丁寧に寄り添います。


よくある質問(Q&A)

Q. 高齢者のうつ病は治りますか?
A. 適切な治療と環境調整により、回復する可能性は十分あります。

Q. 在宅医療で心のケアもできますか?
A. はい。医師や看護師が継続的に関わることで、心理的な変化にも対応可能です。

Q. 相談だけでも可能ですか?
A. もちろんです。訪問診療が必要かどうかも含めてご相談いただけます。


まとめ:高齢者のうつ病に気づき、寄り添い、支える

  • 高齢者のうつ病は「年齢のせい」と思われがちですが、医療による支援が可能な病気です
  • 糖尿病などの持病がある方は、心のケアも大切
  • 在宅医療によって、通院が難しい方にも支援の手が届きます
  • ご本人だけでなく、ご家族も一緒にサポートしていきましょう

📚参考文献

厚生労働省「高齢者のうつ病に関する実態と対応」
https://www.mhlw.go.jp/

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この記事を書いた人

はごろも内科小児科【糖尿病 高血圧 内分泌 甲状腺 在宅医療】 
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。立川市、国立市を中心とした地域医療を展開する、はごろもないか小児科院長に就任。


日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

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