糖尿病
糖尿病は、初期には自覚症状が少ないことが多いものの、適切な対処を行わずに放置すると、心臓・腎臓・目・神経など全身に深刻な合併症を引き起こす恐れがあります。ただし、早期の正確な診断と生活習慣の見直し、さらに薬物療法を適切に行うことで、合併症を予防し健康寿命を延ばすことが可能です。当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせた治療と、長期的なサポートを行っています。
糖尿病の分類と原因
糖尿病は血糖値が高くなる病気として知られていますが、その背景には様々な原因があります。タイプによって治療法が異なるため、正確な分類が重要です。ここでは主な分類と特徴をご紹介します。
1. 1型糖尿病
自己免疫の異常により膵臓のインスリンを作るβ細胞が破壊され、体内でインスリンをほとんど作れなくなる糖尿病です。多くは若年で発症しますが、大人になってから進行する緩徐進行型（SPIDDM）もあります。
治療: インスリン注射が必須です。
2. 2型糖尿病
日本人の糖尿病の大半は2型糖尿病です。インスリン抵抗性（インスリンが効きにくくなる）や、インスリン分泌量の低下が原因となります。食生活の乱れ、運動不足、肥満、加齢、遺伝などが主なリスク要因です。
治療: 食事療法と運動療法が基本であり、必要に応じて薬物療法やインスリン治療を組み合わせます。
3. その他の特定の原因による糖尿病
特定の病気や遺伝要因により糖尿病を発症するケースもあります。以下のような原因が含まれます。
- 遺伝子異常による糖尿病： MODY、ミトコンドリア糖尿病など
- 膵疾患による糖尿病： 慢性膵炎、膵臓切除後など
- 内分泌疾患による糖尿病： クッシング症候群、甲状腺機能亢進症など
- 薬剤誘発性糖尿病： ステロイド、免疫抑制剤など
- 感染症関連糖尿病： 先天性風疹など
それぞれの原因に合わせて、専門的な検査と治療を進めることが重要です。
4. 妊娠糖尿病
妊娠中に発見される血糖値の異常であり、妊娠によるホルモン変化が影響します。妊娠前に糖尿病がなかった方でも発症する場合があります。
出産後には改善するケースも多いものの、将来糖尿病を発症するリスクが高まるため、継続的な経過観察が推奨されます。
診療時にお伺いする内容
初診時には以下のような内容について詳しくお伺いします。遠慮なくお話しください。
健康状態・症状
- のどの渇き、多尿、体重減少など
- 倦怠感、視力低下、足のしびれなど
- 症状の経過や発症時期
生活習慣
- 食事の内容や時間
- 運動の有無や頻度
- 睡眠やストレスの状況
既往歴・家族歴
- 高血圧、脂質異常症、心疾患の有無
- 家族に糖尿病の方がいるか
- 現在服用している薬やサプリメント
ライフスタイル
- 勤務時間（夜勤の有無など）
- 外食・間食の頻度
- 生活リズムの乱れやその影響
※ 問診票もご記入いただきます。ご自身で説明が難しい場合でも大丈夫ですので、安心してご来院ください。
持続血糖測定器「フリースタイル リブレ2」も導入
当院では、間歇スキャン式持続血糖測定器「フリースタイル リブレ2」 を導入しており、日々の血糖コントロールをより詳しく把握できます。
糖尿病の食事療法について
糖尿病と診断されても、必ずしも厳しい制限食が必要になるわけではありません。大切なのはバランス良く適量を守ることです。
主食・主菜・副菜を上手に組み合わせれば、白米やパンも摂取可能です。さらに、ケーキや果物も「たまの楽しみ」として適切なタイミングや量を調整すれば取り入れられます。
最近では、低糖質食品やGI値（血糖値の上がりやすさ）に配慮した食事の選択肢も豊富になっています。当院では、患者様一人ひとりのライフスタイルやお仕事に合わせた柔軟な食事指導を行っています。
安心して受診いただくために
当院では、患者様の不安や生活背景に寄り添いながら、わかりやすく丁寧にサポートいたします。「どの治療が自分に合っているのか」「生活をどう改善すれば良いのか」といった疑問にも、医師が一緒に考えご提案します。ぜひお気軽にご相談ください。
