内分泌異常と多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは?

目次
はじめに|「月経が不安定」「なかなか妊娠できない」…もしかしてPCOSかも?
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、若い女性に多いホルモンバランスの乱れによる病気です。
生理不順や不妊の原因として知られていますが、放置すると糖尿病や生活習慣病のリスクも高まるため、早めの対応が大切です。
この記事では、内分泌異常と多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の関係について、立川市の内科『はごろも内科小児科』がわかりやすく解説します。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは?
PCOSは、卵巣にたくさんの小さな卵胞ができて排卵しにくくなる病気です。
ホルモンの分泌バランスが乱れ、排卵障害・月経不順・多毛・ニキビなどの症状がみられます。
主な症状
- 生理周期が長い、あるいは不規則
- 妊娠しづらい
- にきび・顔や体の毛が濃くなる
- 体重が増えやすい
原因は「内分泌異常」?ホルモンのバランスがカギ
PCOSの背景には、次のような内分泌異常があります:
- 男性ホルモン(アンドロゲン)が多く分泌される
- インスリン抵抗性(糖の代謝異常)
- 排卵を促すホルモン(LH・FSH)のバランスが崩れる
特にインスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」は、2型糖尿病のリスクとも深く関係しています。
糖尿病とPCOSの関係は?
PCOSの患者さんは、将来的に糖尿病になるリスクが高いといわれています。
これは、内分泌異常によって血糖値をコントロールする力が弱くなるためです。
さらに、PCOSの女性は高血圧・脂質異常症・動脈硬化などのメタボリックシンドロームにも注意が必要です。
診断はどうやって行うの?
診断には以下の3つのポイントを組み合わせて判断します:
- 月経異常(無月経・稀発月経)
- 超音波(エコー)で卵巣に多数の小さな卵胞を確認
- 血液検査で男性ホルモンの値やインスリン抵抗性をチェック
治療は?目的に応じたアプローチが重要
治療の方針は「妊娠希望の有無」や「症状の重さ」によって異なります。
妊娠を希望する場合:
- 排卵誘発剤(クロミフェンなど)
- 生活習慣の改善(減量・運動)
妊娠を希望しない場合:
- 月経を整えるための低用量ピル
- 多毛やニキビに対するホルモン治療
また、インスリン抵抗性がある場合には、糖尿病治療薬(メトホルミン)を使用することもあります。
PCOSと向き合うには、長期的な健康管理が大切
PCOSは「女性特有の不調」のひとつですが、内分泌や糖代謝の異常とも密接に関係しています。
生理のトラブルだけでなく、将来の生活習慣病リスクを抑えるためにも、内科との連携が重要です。
立川市でPCOSや内分泌異常のご相談は|はごろも内科小児科へ
当院では、内分泌・糖尿病内科を専門とする医師が在籍し、次のような対応が可能です:
- 血液検査によるホルモン・糖代謝評価
- 甲状腺・卵巣の超音波検査
- 生活習慣のアドバイスと薬物療法の提案
不安な症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ|PCOSは早期発見・適切なケアでコントロールできる
- 多嚢胞性卵巣症候群は、ホルモンバランスの乱れによる内分泌疾患
- 放置すると、糖尿病など将来の病気のリスクが高くなる
- 早期発見と内科的フォローで、健康な未来を守ることができます