性腺ホルモンの異常:月経異常と不妊症

ホルモンバランスの乱れが体に与える影響とは?


はじめに

「生理の周期がバラバラ」「なかなか妊娠しない」――こうした症状の背景に、性腺ホルモンの異常がある場合があります。
この記事では、性腺ホルモンが体にどのような影響を与えるのか、月経異常や不妊症との関係について、『はごろも内科小児科』内分泌専門医医師がわかりやすく解説します。


性腺ホルモンとは?

性腺ホルモンは、生殖や月経、妊娠などに深く関係するホルモンです。主に次の2つがあります。

  • エストロゲン(卵胞ホルモン)
     …子宮内膜を整え、排卵や妊娠をサポートする
  • プロゲステロン(黄体ホルモン)
     …排卵後の子宮環境を維持し、妊娠の準備を整える

これらは、脳の視床下部→下垂体→卵巣というホルモンの指令系統により分泌が調整されています。


性腺ホルモンの異常で起こる症状

月経異常

  • 月経が来ない(無月経)
  • 周期が不規則(稀発月経・頻発月経)
  • 出血量が少ないまたは多すぎる

原因としては、過度なダイエットやストレス、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、甲状腺疾患などがあります。

不妊症

  • 排卵が起こらない(無排卵)
  • 子宮内膜が整わない
  • 着床しにくい環境が続く

これらの多くは、性腺ホルモンの分泌異常により引き起こされます。


検査と診断方法

  • ホルモン採血(LH、FSH、エストラジオール、プロゲステロンなど)
  • 超音波検査(卵巣・子宮の状態)
  • 基礎体温の確認
  • 必要に応じて、甲状腺ホルモンや糖尿病(インスリン抵抗性)の評価も行います

治療方法

原因や年齢に応じて、以下のような治療を行います。

ホルモン療法

  • 排卵誘発剤やホルモン補充療法
  • 月経を整える薬(ピル・黄体ホルモンなど)

生活習慣の改善

  • ストレス管理、体重の調整、運動習慣
  • 糖尿病や甲状腺機能異常の治療をあわせて行う場合もあります

男性も関係ありますか?

はい、性腺ホルモンは男性にも関係します。男性ホルモン(テストステロン)の低下は、以下のような問題を引き起こします。

  • 性欲の低下
  • 精子の減少による男性不妊
  • 筋力・骨量の低下

必要に応じて泌尿器科や内分泌内科と連携して診療します。


立川市・国立市・国分寺市・昭島市で月経異常や不妊のお悩みなら

『はごろも内科小児科』では、内分泌専門医が在籍しており、月経異常やホルモン異常に対して丁寧に診察・検査・治療を行っています。
また、糖尿病や内科的な疾患とホルモン異常の関係もふまえて、総合的なサポートを行います。
立川市・国立市・国分寺市・昭島市周辺で内科やホルモンの相談をしたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。


まとめ

  • 性腺ホルモンの乱れは、月経異常や不妊症の原因になる
  • 女性だけでなく男性にも影響するホルモン
  • 生活習慣や他の内分泌疾患(糖尿病・甲状腺)との関係も重要
  • 早期に相談・検査を受けることが大切
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この記事を書いた人

はごろも内科小児科【糖尿病 高血圧 内分泌 甲状腺 在宅医療】 
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。立川市、国立市を中心とした地域医療を展開する、はごろもないか小児科院長に就任。


日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

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