糖尿病とフットケア:足を守るためのセルフチェックポイント!

糖尿病をお持ちの方にとって、「足の健康」はとても大切なテーマです。
血糖値のコントロールだけでなく、日々のフットケア(足のケア)が、将来的な合併症の予防に大きく関わってきます。

今回は、糖尿病とフットケアの重要性、そして毎日のチェックポイントをわかりやすく解説します。


目次

なぜ糖尿病で足のケアが必要なの?

糖尿病が進行すると、足に以下のような問題が起きやすくなります。

● 神経障害(しびれや感覚の低下)

足の感覚が鈍くなり、けがや火傷に気づきにくくなります。

● 血流障害(動脈硬化)

血液の流れが悪くなり、小さな傷がなかなか治らず、潰瘍(かいよう)や壊疽(えそ)につながることがあります。

最悪の場合、足を切断しなければならないケースもあるため、早めの予防と日々のケアが非常に重要です。


今日からできる!糖尿病の方の足チェックポイント

毎日、少しの時間でできるセルフチェックとケアで、足を守ることができます。以下のポイントを意識してみましょう。

1. 足の「皮膚」を見る

  • 乾燥していないか
  • 赤くなっているところはないか
  • ひび割れ、タコ、まめ、水ぶくれがないか

→ 小さな傷でも放置すると感染の原因になります。

2. 「爪」の状態を確認する

  • 爪が巻いていないか
  • 食い込んでいないか(巻き爪)
  • 爪の色が黒や黄色に変わっていないか

→ 爪切りは深爪に注意し、できれば直線的に切りましょう。

3. 足の「感覚」をチェックする

  • 足の裏にしびれやピリピリした痛みはないか
  • 触った感覚が鈍くなっていないか

→ タオルや歯ブラシなどで軽く触れてみて、左右差がないかを確認しましょう。

4. 足の「血流」も意識する

  • 足先が冷たくないか
  • 歩くとすぐに疲れないか
  • 足の色が左右で違わないか

→ 気になる場合は、早めに内科でご相談ください。


フットケアで気をつけたい5つの習慣

日常生活で以下のような点に気をつけることで、足のトラブルを防ぐことができます。

1. 毎日洗って、よく乾かす

ぬるめのお湯でやさしく洗い、指の間も丁寧に拭きましょう。

2. 靴下は締め付けないものを

ゴムが強すぎるものは避け、肌触りのよい綿素材がおすすめです。

3. 靴選びは慎重に

つま先に余裕があり、足にフィットする靴を選びましょう。新品の靴は短時間から慣らすことが大切です。

4. 火傷や低温やけどに注意

カイロや電気毛布の使いすぎは禁物です。感覚が鈍いと火傷に気づきません。

5. 自分で無理に処置しない

タコやうおのめ、爪の変形などは、自己判断で削ったり切ったりせず、医療機関に相談しましょう。


どんな時に受診すべき?

以下のような症状がある場合は、早めに内科や皮膚科などの医療機関にご相談ください。

  • 足に傷ができて治らない
  • 足の皮膚が黒ずんでいる
  • 強いしびれや痛みがある
  • 歩くとすぐに足がだるくなる

糖尿病と足のトラブルは深く関係しています。「足に違和感があるけど、様子を見よう」と我慢せず、早めの相談が大切です。


まとめ:足を守ることは、生活の質を守ること

糖尿病とフットケアは切っても切り離せない関係にあります。
毎日のちょっとした意識と習慣で、足のトラブルはしっかり予防できます。

はごろも内科小児科』では、糖尿病治療に加え、フットケア指導や皮膚トラブルの早期対応も行っています。地域のかかりつけ内科として、患者さん一人ひとりの健康を支えます。


よくある質問(Q&A)

Q. 足にしびれがありますが、すぐに受診したほうがいいですか?
A. はい。糖尿病による神経障害の初期症状かもしれません。早期発見が重要ですので、内科での診察をおすすめします。

Q. 自分では足の裏が見えません。どうすればいいですか?
A. 鏡を使ったり、ご家族の協力を得るのがよいでしょう。困ったときは医師や看護師にご相談ください。


ご相談は『はごろも内科小児科』へ

糖尿病治療に加え、フットケアのご相談にも対応しております。
「こんなことで受診していいのかな?」と思うようなことでも、お気軽にご相談ください。

皆さまの“足元からの健康”を守るお手伝いをいたします。

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この記事を書いた人

はごろも内科小児科【糖尿病 高血圧 内分泌 甲状腺 在宅医療】 
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。立川市、国立市を中心とした地域医療を展開する、はごろもないか小児科院長に就任。


日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

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