糖尿病とは?種類・原因・症状と受診の目安をわかりやすく解説

糖尿病は、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の量が足りない、または効きが悪くなることで、血液中のブドウ糖(血糖)が高い状態が続く病気です。初期には自覚症状がほとんどなく、健康診断で初めて指摘される方も少なくありません。
この記事では、糖尿病の仕組みと種類、原因、症状、健診で指摘されたときの受診の目安を、糖尿病専門医の立場からわかりやすく解説します。
糖尿病とは?血糖値が高い状態が続く仕組み
食事でとった糖質は、ブドウ糖として血液中に入ります。膵臓から分泌されるインスリンは、このブドウ糖を筋肉や肝臓などの細胞に取り込ませ、血糖値を一定の範囲に保つ働きをしています。
インスリンの分泌が減ったり、インスリンが効きにくくなったり(インスリン抵抗性)すると、ブドウ糖が血液中に余り、高血糖の状態が続きます。高血糖が長く続くと全身の血管が傷つき、さまざまな合併症につながります。
糖尿病の主な種類
- 1型糖尿病:主に自己免疫によって膵臓のインスリンをつくる細胞が壊れ、インスリンがほとんど出なくなるタイプです。インスリン注射による治療が必要です。
- 2型糖尿病:遺伝的な体質に、食べ過ぎ・運動不足・肥満・加齢などが重なって起こるタイプで、日本人の糖尿病の大部分を占めます。
- 妊娠糖尿病:妊娠中に初めて見つかる糖代謝の異常です。
- その他の糖尿病:膵臓の病気、ステロイドなどの薬、ホルモンの病気などが原因で起こるものです。
1型と2型の詳しい違いは、1型糖尿病と2型糖尿病の違いで解説しています。
2型糖尿病の原因とリスク因子
2型糖尿病は、ひとつの原因ではなく、体質と生活習慣が重なって発症します。次のような方は特に注意が必要です。
- 血縁者に糖尿病の方がいる
- お腹まわりに脂肪がつきやすい(内臓脂肪型肥満)
- 運動不足、座っている時間が長い
- 甘い飲み物や間食が多い、食べる量が多い
- 40歳以上、または若い頃から体重が増えている
- 睡眠不足や強いストレスが続いている
糖尿病の症状:初期は気づきにくい
血糖値がかなり高くなると、のどが渇く、尿の量や回数が増える、食べているのに体重が減る、疲れやすいといった症状が現れます。しかし多くの場合、初期にはほとんど症状がありません。
自覚症状がないまま高血糖が続くと、糖尿病性腎症、糖尿病網膜症、神経障害といった合併症や、心筋梗塞・脳梗塞のリスクが高まります。早く見つけて治療を始めることが、合併症を防ぐいちばんの近道です。
健診で血糖値やHbA1cを指摘されたら
糖尿病の診断には、空腹時血糖値(126mg/dL以上)、随時血糖値(200mg/dL以上)、ブドウ糖負荷試験の2時間値(200mg/dL以上)、そしてHbA1c(6.5%以上)を組み合わせて用います。1回の結果だけで判断できない場合は、別の日に再検査して確認します。
次のような場合は、早めに内科を受診しましょう。
- 健診で「要精密検査」「要医療」と判定された
- HbA1cが6.5%以上、または年々上がってきている
- のどの渇き、尿の回数の増加、体重減少がある
- 血縁者に糖尿病の方がいて、血糖値が境界域と言われた
糖尿病の治療の基本
治療の基本は食事療法と運動療法です。それだけで血糖値が十分に下がらない場合は、飲み薬や注射薬を組み合わせます。治療の目標は、血糖値を良好に保ち、合併症を防いで、これまでどおりの生活を続けることです。
よくある質問
糖尿病は治りますか?
現在の医学では、糖尿病を「完治」させることは難しいとされています。ただし、血糖値を良好に保てば合併症を防ぎ、健康な方と変わらない生活を送ることを目指せます。早い段階の2型糖尿病では、食事や運動の見直しで薬を使わずに安定した状態を保てることもあります。
症状がなくても受診は必要ですか?
はい。糖尿病は症状がないまま進行することが多い病気です。健診で指摘された段階で受診し、現在の状態を確認しておくことをおすすめします。
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監修:はごろも内科小児科 院長 田丸新一(医学博士)
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医/日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医/日本内科学会 総合内科専門医




