糖尿病と睡眠の質:血糖コントロールへの影響とは?

「最近よく眠れない」「夜中に目が覚めてしまう」。そんな悩みをお持ちの糖尿病患者さんはいませんか?
実は、睡眠の質血糖コントロールに深く関わっていることが分かってきました。この記事では、糖尿病と睡眠の関係、そして改善のためのヒントをわかりやすく解説します。


目次

糖尿病と睡眠の質にはどんな関係があるの?

糖尿病になると、体の中で「インスリン」という血糖を下げるホルモンの働きが悪くなります。一方で、睡眠不足や睡眠の質の低下は、このインスリンの働きをさらに悪くすることが知られています。

主な理由は以下のとおりです:

  • 睡眠不足が交感神経を活性化し、血糖値を上昇させる
  • 睡眠中のホルモンバランスが乱れ、血糖の調整がうまくいかなくなる
  • 慢性的な疲労により運動量が減り、血糖が上がりやすくなる

つまり、眠りが浅い・短いと血糖が安定しにくくなるのです。


睡眠障害は糖尿病の合併症のサインかも?

糖尿病の方に多い睡眠トラブルには、以下のようなものがあります:

  • 夜間頻尿:高血糖によって尿量が増え、何度も目が覚める
  • 足のしびれ・痛み:糖尿病神経障害による不快感で眠れない
  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS):肥満や糖尿病の方に多く見られ、呼吸が止まることで睡眠の質が著しく低下する

これらは、血糖コントロールの悪化だけでなく、合併症の進行サインでもあります。症状が気になる場合は、早めに受診をおすすめします。


睡眠の質を改善するための5つのポイント

糖尿病の方が良質な睡眠をとるためには、次のような工夫が有効です:

  1. 毎日同じ時間に寝起きする
  2. 夕方以降はカフェインを控える
  3. 寝る前のスマホやテレビを控える
  4. 軽いストレッチや入浴でリラックス
  5. 就寝前2時間以内の食事は避ける

これらの習慣は、血糖の安定にもつながる生活習慣です。


睡眠も「血糖コントロール」の一部と考えよう

血糖値の改善といえば、食事・運動・薬のイメージが強いかもしれませんが、実は睡眠も立派な治療の一部です。
しっかり眠れる体を作ることが、将来の合併症を防ぐカギになります。


睡眠の悩みも『はごろも内科小児科』(立川市)へご相談ください

『はごろも内科小児科』では、糖尿病の総合的な管理を行っており、睡眠の問題についてもお気軽にご相談いただけます。
血糖コントロールがうまくいかないと感じるとき、実は「眠り」が原因かもしれません。
立川市で糖尿病の治療や生活の見直しをご希望の方は、地域密着型の内科クリニックである当院へぜひお越しください。

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この記事を書いた人

はごろも内科小児科【糖尿病 高血圧 内分泌 甲状腺 在宅医療】 
院長 田丸新一(Shinichi Tamaru)
医師、医学博士

立川市、国立市を中心とした地域医療を展開する、はごろも内科小児科院長。
2004年自治医科大学医学部医学科卒業。高知県県立中央病院、国保沖の島へき地診療所所長、本山町国保嶺北中央病院内科医長を経て、東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科助教。東京医科大学大学院医学研究科社会人大学院入学。東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科。二次性高血圧の機械学習モデルでの研究により医学博士取得。東京北医療センター糖尿病内科、山王病院 糖尿病内分泌代謝内科副部長、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科助教を歴任。医学の研究も積極的に行ってきた。


日本内科学会 内科認定医、総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会 内分泌代謝内科専門医・指導医
日本肥満学会所属
東京都難病指定医、東京都小児慢性特定疾病指定医
厚生労働省臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会終了

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