妊娠糖尿病と産後の血糖|出産後も検査を続ける理由

妊娠糖尿病と診断されると、「赤ちゃんが生まれたら血糖は元に戻るのでしょうか」と気になる方もいらっしゃると思います。田丸新一院長が第2著者として参加した山王病院の共同研究は、妊娠中の血糖と、産後に行った血糖検査の結果を調べたものです。
妊娠中に血糖が上がりやすくなる理由
妊娠が進むと、血糖を下げるインスリンが効きにくくなります。通常は体がインスリンの分泌を増やして対応しますが、その補いが十分でないと血糖が上がります。出産後は妊娠中の変化が落ち着くため、血糖が正常な範囲に戻る方もいます。一方で、血糖の調節に難しさが残る方もいます。
妊娠中の記録と産後の検査をつなげて調べました
研究チームは、一つの病院の診療記録を振り返り、妊娠中に75g経口ブドウ糖負荷試験を受けた方の検査結果を分析しました。この検査では、決まった量のブドウ糖を飲み、時間をおいて血糖を測ります。産後の検査結果が確認できた方については、妊娠中の情報と産後の血糖の関係も調べました。
妊娠糖尿病の経験や糖尿病の家族歴、妊娠中の負荷試験での血糖値などが、産後の血糖の異常と関連していました。産後の追跡結果では、正常な範囲に戻った方は65.6%で、残る方には耐糖能異常や糖尿病がみられました。この割合は追跡できた研究参加者の結果です。すべての妊娠糖尿病の方に同じ割合が当てはまるわけではありません。
産後、何を確認すればよいですか
米国糖尿病学会の2026年版基準では、妊娠糖尿病だった方に、産後4〜12週の75g経口ブドウ糖負荷試験を勧めています。出産直後は出血などの影響で、過去の平均的な血糖を示すHbA1cだけでは状況を捉えにくいことがあるためです。産後の検査が正常でも、その後の血糖確認を続けることが勧められています。
出産後は、ご自身の受診を後回しにしがちな時期です。退院前や産後健診の際に、検査の時期と受ける場所を産科や糖尿病の主治医に確認しておくと予定を立てやすくなります。





